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幻想甲虫録
かませ虫のDEAD END
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リリカと日花が魔法の森に出かけているその頃、彼女たちの住処である廃洋館にて。
廃洋館にはリリカの姉にして種族は同じく騒霊である『ルナサ・プリズムリバー』、『メルラン・プリズムリバー』が住んでいる。もちろん彼女たちにもパートナーである甲虫がおり、ルナサは朱色のラコダールツヤクワガタ、メルランは赤いヒメカブトをパートナーとしていた。
ラコダールツヤクワガタの方は『フォルテ』、ヒメカブトの方は『奏』。姉2人と2匹の甲虫は魔法の森へ出かけた妹とタイゴホンヅノカブトが心配でならなかった。


ルナサ「大丈夫かな、リリカ。確かリリカってあそこでメンガタカブトとサビイロカブトに襲われたんだよね?」

フォルテ「ああ。リリカを連れてきた時あいつ『俺っちが助けてやったぜ』って言ってたしな」

メルラン「でもなーんか嫌な予感がするんだよねぇ………」

奏「気にしすぎだよメルラン。大丈夫、大丈夫」

メルラン「大丈夫って言われても……」


相棒とは対照的に妹が心配でたまらないルナサとメルラン。とりあえず夕食までには帰ってくるだろうと思い、そのまま待つことにした。


フォルテ「ところでお前たち、今日の夕食はどうする?」

ル・メ・奏「「「カレーでいいよ」」」

フォルテ「カレーか………材料あったかな?」





カレーの材料は全て揃っていた。日はすっかり暮れ、カレー作りがてらリリカと日花の帰りを待つ一同。
ところがいくら待ってもリリカと日花が帰ってこない。どれだけ練習に夢中になっているのだろうかとフォルテは思った。
時は刻一刻と過ぎ、完全に日没してしまった。時刻は午後6時半過ぎ、カレーはすでに完成している。リリカと日花が帰ってきたら食べようかと思っていたが、あまりにも遅すぎる。


奏「あ〜、お腹空いたよぉ!もうこんな時間なのに帰ってくるの遅スギィ!早くカレー食べたいよぉ!」

ルナサ「私だって食べたいわよ!!いくら何でも遅すぎるよ!!やっぱりあの虫たちに襲われてるんじゃないの!?」

フォルテ「……………」

メルラン「ていうかフォルテだけ何で落ち着いてるの!?リリカと日花が心配じゃないの!?」


空腹のあまり駄々っ子のように足をばたつかせる奏、悪態をつくルナサとメルラン。
そんな中フォルテは目を閉じ、微動だにせずじっとしていた。しかし突然目を開け、ルナサたちに目と体を向けたかと思うと。


フォルテ「空腹ぐらいで何をガタガタ抜かす!!俺は考え事をしてるんだ、少しでいいから黙ってられないのか!!気が散るだろうが!!」


怒鳴ったフォルテは再び背中を向けて目を閉じ、落ち着いてあることを考え出す。
一方で怒鳴られたルナサたちは身震いしていた。空腹でイライラするのはわかるが、
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