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幻想甲虫録
かませ虫のDEAD END
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…心配かけちゃって……」

日花「悪りぃ……俺っちのせいでリリカがボロボロになっちまって……こりゃルナサとメルランと奏に顔向けできねぇな………」

フォルテ「何を言うんだ日花。よくやったじゃないか。お前はあのチンピラたちを追い払おうと…リリカを守ろうと全力を出して戦ったんだろう?何も落ち込むことはない……むしろ『自分はよく頑張った』と誇ってもいい。ポジティブになるんだ。自分に自信を持て」

日花「フォルテ…………」


一方で突如現れたフォルテに困惑するメンガタとサビーは。


サビー「あのクワガタ……もしかしてあの女の子の仲間なんじゃ……」

メンガタ「その前にお前、さっき何つった?プリズムリバー三姉妹だと?日花が言ってたリリカって女……まさか…………っ!?」


甲虫界の喧嘩番長と自称するメンガタもさすがに不安を感じてきた。だがその不安はすぐに恐怖に変わった。


サビー「ヒェ!?」


それはサビーも同じだった。フォルテがすでにメンガタとサビーに目を向けており、血走った目で睨みつけていた。
彼の目にこもった色ははもはや憎悪と殺意。抹殺すべき存在として認識していた。同時に彼の体から漂い、立ち上る赤黒いオーラがさらに恐怖を煽らせていた。


フォルテ「貴様ら………ずいぶん死に急いでるみてぇだなぁ?」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

メ・サ「「ひ、ヒィィィィィィィィ!!?」」


フォルテから立ち上る赤黒いオーラはまるで般若のような悪魔のような形をなしているようにも見えた。
すさまじい威圧感とドスの効いた声に畏怖し、震えるメンガタとサビー。


サビー「や…ややややヤバババババババ…!?これヤバイよメンガタ……!」

メンガタ「お、おおおおお前があの女を殺そうとか言うからじゃねぇのか…!?」

サビー「な、何言ってるんだよメンガタ……!?き、君が……!」

メンガタ「おい!?俺じゃなくてお前だろ!?」

フォルテ「ほう………?」ゴゴゴゴゴゴゴゴ


責任をなすりつけ合うチンピラ2匹をよそに、フォルテが日花に目を向けた。


フォルテ「日花、立てるか?」

日花「あ、ああ……ま…まだ行けるぜ……(こ、怖ぇぇぇ!!こんなにブチギレてるフォルテ見たことねぇよ!!)」


日花もフォルテの威圧感に内心恐怖していた。だがそれを表に出さず、おぼつかない足取りで立ち上がり、グッと踏ん張る。


フォルテ「よし、ならさっさとあいつらをぶっ殺すぞ。二度と俺たちの前に立てねぇようにしてやろうじゃねぇか」


目に憎悪と殺意の色を込めたままフォルテはジリジリとメンガタとサビーに近づく。
同時にフォルテについていくように日花も彼らに近づいた。
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