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幻想甲虫録
魔法の森のチンピラ
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……日花のくせに生意気な………!」

メンガタ「テメェ……人の話を無視してサビーに攻撃するとかいい度胸じゃねぇか!!」

リリカ「危ない、避けて!」

日花「え?って、ヤッベ!『アクセルグライド』緊急回避バージョン!」


羽を広げ、メンガタの突進を素早くかわした。もしあの時リリカに声をかけられていなければ、ハサミ技を食らっていただろう。
さて、突進をかわされたメンガタはというと。


メンガタ「と、止まれねぇ!?おいサビー、そこどけぇ!!」

サビー「え?」



ゴッヂイイイイイイイイイイン



突進をかわされた上、サビーにも正面衝突してしまった。それだけならまだマシだったものの、彼らは互いに顔をくっつけていた。


メ・サ「「……………!//////」」ブチュウウウウ


正面衝突したはずみでキス。この場にある恋愛煩悩なサタンオオカブトがいればさぞ歓喜をあげていたであろう。


メンガタ「サビー!!よくも俺様の唇を奪いやがって!!」

サビー「わ〜ん、わざとじゃないのに〜!!」

日花(うげぇ………あいつらそういう関係なの?吐きそう………)


この光景を見た日花は引いていた。戦いを放り出したメンガタは激昂しながらサビーを追いかけていった。
彼らの姿が見えなくなったことを確認すると、リリカの方に目を向け、心配そうに優しく声をかけた。


日花「なあお嬢ちゃん、大丈夫か?」

リリカ「う、うん………えっと…あなたは?」

日花「俺っちか?俺っちは日花ってんだ。お前は?」

リリカ「…リリカ。リリカ・プリズムリバー」

日花「リリカか。もう安心しな、俺っちがお前を守ってやるよ。俺っちは―――――」


次の言葉を遮るように、リリカはこう言って日花に笑顔を見せた。


リリカ「うん。私を助けてくれた虫だよね。お願い、どうかこれからもそばにいて!」

日花「え!?これからもそばに!?………お、おう、任せとけ!この日花様にできねぇこたぁねぇ!」


その日から日花はリリカを守るため、彼女のパートナーになった。
時々衝突しながらも、リリカは日花と共に過ごしていった。















そして今に至る。数週間前の出来事を隅々まで思い出し、気づけば彼女は魔法の森の奥まで来ていた。
愛用のキーボードの鍵盤に指を置き、やがて魔法の森にキーボードの美しい音色が響き渡る。


リリカ(…………ホント、日花が助けに来なかったら今頃大変なことになってたかも。あの2匹はもう二度と私を狙ってこない。それにここなら誰も来ないし、ゆっくり練習ができる―――――)

日花「おーい、リリカー!」



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