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幻想甲虫録
魔法の森のチンピラ
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タ様に逆らえねぇようにしてやる……!」

サビー「そうそう、念入りにね?」

リリカ「い………いや………お願い……やめて………!来ないで……!」


絶体絶命。万事休す。これから起こる最悪なことを想像し、思わずこんなことを言い放った。


リリカ「お願いだからやめてよ!!こっちに来ないで!!このゴーカン虫!!変態!!痴漢!!私を痛めつけて【自主規制】とか【自主規制】とかするつもりでしょ!?」

サビー「は?君、何言ってんの?ねえメンガタ、なんかあの子変なこと想像してない?」

メンガタ「知るか!いや待てよ……?」


リリカの口から飛び出した3つの言葉『ゴーカン』、『変態』、『痴漢』。一度サビーに怒鳴ったメンガタだが、改めて考え直すと、自然に気色悪い笑みが浮かんできた。


メンガタ「………ゲヘヘヘヘヘ、こいつァいいや。グレートだぜ、こいつァ。このメスは俺たちの縄張りに入ってきやがったんだ。そういうことをするのもあり―――――」

???「待ーて待て待て待て待て、待てぇい!」

リ・メ・サ「「「!?」」」


リリカの背後から別の声が聞こえてきた。まさかこいつらの仲間?リリカは恐る恐る振り向いた。


メンガタ「な、何だ何だ!?」


彼女の背後にいたのはどこからともなく現れたカブトムシ、ゴホンヅノカブトだった。だがゴホンヅノカブトにしては前翅がいぶし銀に染まっている。見たところクロゴホンヅノカブトでもなさそうだ。
いぶし銀のゴホンヅノカブトが目を向けているのはリリカではなく、メンガタとサビー。どうやら彼らに用があるようだ。


いぶし銀のゴホンヅノ「お前ら、女の子に手を出そうなんてこの俺っちが許さねぇ!」

サビー「あれぇ?君よく見たらタイゴホンヅノか。ていうか君、日花じゃん!」

メンガタ「あ、ホントだ。また俺たちの邪魔しに来やがったのか!うぜぇんだよ!」


日花と呼ばれるタイゴホンヅノカブト。敵ではなさそうだ。
そしてメンガタとサビーのようにまばゆい閃光が全身を包んで巨大化すると、リリカを守るように彼らの前に立ちふさがる。


日花「お前らはこの日花様が相手してやんよ!逆にお前らに吠え面かかせてやる!」

サビー「僕ちゃんたちに勝つって?無理無理!僕ちゃんとメンガタは―――――」

日花「先手必勝!!『ヘッドスピンラッシュ』!!」


逆立ちしながら回転して突進するダゲキ技『ヘッドスピンラッシュ』。言い終わらぬうちに日花はすぐさまそのダゲキ技を食らわせにサビーに襲いかかった。
とどめに強烈な一撃を食らったサビーは魔法の森の外まで吹き飛ばされた。


メンガタ「サビー!」

日花「どうでぃ!俺っちの技は!」

サビー「イッタタ…
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