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幻想甲虫録
魔法の森のチンピラ
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リリカ「へ?ちょ、何を!!」


ソウゴと同じダゲキ技、ローリングスマッシュでリリカを殴ろうとするがかわされた。
それを見計らっていたかのようにサビーがニヤリと笑う。


サビー「かかったね。食らえ、『ダンガン』!」

リリカ「イタッ!」


夫の肩を貫いたウスバクワガタのものより威力は劣るものの、きりもみ回転しながら体当たりするサビーに直撃したリリカは近くの木に激突。そのまま崩れ落ちた。
崩れ落ちたリリカにサビーはニヤニヤしながら近づいてきた。同時にメンガタもリリカを攻撃しようとジリジリと寄ってくる。尻餅をついたまま後ずさるリリカ。


サビー「いや〜、君が来てくれて本当によかったよ。いじめ甲斐のある奴がいないか探してたトコでね〜」

リリカ「な…何言って…」

サビー「君は見るからに騙されやすかったんだもん。まあ、恨むなら僕たちじゃなくて騙された自分を恨むんだね……アッハハハハハハハ!!」

メンガタ「ギャハハハハハハハハハ!!お前のそのかわいい顔、アザだらけにしてやるから覚悟しなぁ!!」


2匹の笑い声が魔法の森に響いた。その隙にリリカは震える足で立ち上がると、すぐにメンガタとサビーの前から姿を消した。
笑うのをやめた時には魔法の森から脱出しようとおぼつかない足取りで全力疾走するリリカの姿があった。


メンガタ「おい逃げんな!!」

サビー「逃げられると思ってるのかい?」


せっかく見つけた獲物だ、絶対に逃がさない。
共に羽を広げると、逃げるリリカの後を追っていった。





一方、リリカはメンガタとサビーから逃れるため、魔法の森から脱出しようと半べそで疾走していた。
森の奥には出口である光が差していた。


リリカ「嫌だ…嫌だ…!誰か助けて………!ルナ姉……メル姉……フォルテさん……奏……!」


背後から不気味に聞こえる大きな羽音がリリカをさらに恐怖で煽っていた。早くなる鼓動、込み上げる吐き気。だがここで足を止めれば最悪な結末が降りかかる。
足がだんだん思うように動かなくなってきた。しかし出口へと続く光がどんどん大きくなっていく。リリカと出口との距離はどんどん縮み、あと10メートル、9メートル、8メートル……もう少し、もう少しだ。
同時にリリカを追う2匹の甲虫も彼女との距離がどんどん縮んでいた。リリカに暴行したくてたまらないメンガタ、にやけるサビー。


リリカ「!!」


なんという災難か。出口まであと5メートルというところで石につまずいた。
転倒したところをあっという間に追いつかれた。顔を上げると、出口を塞ぐようにメンガタとサビーが立ちはだかっていた。


メンガタ「もう逃がさねぇぞ……ボッコボコにしてこのメンガ
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