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雪の中で行方知れずになって
第一章
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                雪の中で行方知れずになって
 カナダサスカチュワン州サスカトゥーン在住のケリー=ブルーはこの時自宅を出ようとしていた。金髪で青い目で穏やかな顔立ちのやや背の高い三十代の男性だ。
「じゃあ今からね」
「行って来るのね」
「そうしてくるよ」
 妻のワンダ、茶色の長い髪の毛で青い目で小柄でにこにことした顔立ちが印象的な彼女に笑顔で言った。
「クロスカントリースキーにね」
「それでバンジョーもなのね」
「一緒だよ」」 
 ジャーマン=ワイヤーベアード=ポインターの雄、茶色と白の毛の尻尾を振っている彼を見つつ話した。
「今回もね」
「じゃあね」
「うん、行って来るよ」
「怪我には気を付けてね」
「そうしてくるよ」
 こう言ってだった。
 彼はバンジョーと一緒にスキーに出た、すると。
 暫くしてだ、バンジョーは。
「ワンワン」
「どうしたんだ?」
 ケリーは愛犬が突然林の方に駆けて行ったのでスキーを一旦中断してだった。
 愛犬を追っていった、すると。
「クゥ〜〜ン」
「犬!?」
 そこには雪に覆われたゴールデンレッドリバーがいた、首輪をしていたが弱っていたのですぐに保護センターに連絡してだった。
 保護してもらうとすぐに若い赤髪のボーイッシュな女性が来て言ってきた。
「ルイはここですか!?」
「あのゴールデンレッドリバーの子ですか」
「はい、雄の」
「その子がです」
 ケリーはその女性ジュリア=ゲーツに答えた。
「そうですよね」
「はい、ルイです」
「クゥ〜〜ン」
 ジュリアはその犬を見て答えた。
「間違いありません」
「雪乃中にいたんですが」
「家出して探してたんですが」
 それでもとだ、ジュリアはさらに答えた。
「この大雪で」
「カナダでも記録的な」
 寒くて雪の多い国でもだ。
「五十年振りという位の」
「そのせいで探しても」
 まさに大雪のせいでだ。
「中々見付からなかったんですが」
「それでもですね」
「見付けてくれたんですね、有り難うございます」
「いえ、ただ怪我をしているそうで」
 それでとだ、ケリーはルイを抱き締めて喜んでいるジュリアに話した。
「手術が必要だそうです」
「わかりました、では」
「その後で、ですね」
「家に連れて帰ります、見付けてくれて有り難うございます」
 満面の笑顔でだった、ジュリアはルイを抱き締めつつ言った。ルイは怪我をしていて長い間彷徨っていて弱っていたが飼い主との再会を喜んでいた。
 ケリーはジュリアとルイの再会を見たすぐ後でだった。
 妻と一緒にアイルランドのウィックロー山地で山登りに興じた、この時もバンジョーも一緒だった。
 そして長城を登って帰った後でパブに入り。
 店の中にいた
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