第一章
[2]次話
人に懐く栗鼠
テキサス州で二匹の雄のヨークシャーテリアのトムとジェリーそして二匹の雌のサビ猫のアリスとドロシーを飼っているいるアレン=バースレイは面長でダークブラウンの短い髪の毛と黒い顎鬚そしてグレーの瞳を持つ精悍な顔の男性だ、その彼が。
ある休日庭掃除をしていた妻のスザンナにこう言われた。
「栗鼠を拾ったけれど」
「ええ、この子ね」
「キイ」
見ればまだ赤子だった、金髪を後ろでまとめていて黒い愛嬌のある目で丸い鼻と小柄な身体を持つ妻はその栗鼠を見せて言った。
「どうも巣から落ちたらしいの」
「だったら放っておけないな」
夫はすぐにこう答えた。
「育てよう」
「そうするのね」
「見付けたなら」
それならというのだ。
「もうだよ」
「放っておけないってことね」
「だからだよ」
「育てるのね」
「ただ元々野生だから」
夫は妻にさらに言った。
「育ったら」
「野生に戻すのね」
「そうしよう」
「野生の子は野生が一番ね」
「自然も守らないとね」
環境もというのだ。
「だからだよ」
「それじゃあね」
「そうしよう」
こう妻に言ってだった。
彼はその栗鼠を育てることにした、栗鼠の名前は雄なのでロッキーにして。
育てはじめた、だがロッキーは動ける様になるとすぐにだった。
元気でやんちゃでだった。
家のあちこちで悪戯をして散らかす様になった、それでバースレイはこう言った。
「ロッキーじゃなくて悪栗鼠だな」
「その名前にするの」
「うちで一番悪いだろ」
「そうね」
妻もそれはと頷いた。
「うちの子達でね」
「一番悪いな」
「この子達はいい子達だからね」
ここで妻は家の犬と猫達を見た。
「どの子も」
「ワン」
「ワンワン」
「ニャア」
「ニャオン」
「けれどね」
それでもというのだ。
「あの子はね」
「悪いな」
「やんちゃね」
「だからだよ」
「名前は悪栗鼠にするのね」
「ロッキーにしたけれど」
それでもというのだ。
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