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幻想甲虫録
死神甲虫オズワルド
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だがソウゴたちは知らなかった。地霊殿にて朝食後、ウォズがこいしと共にあの烏天狗をしばきに行ったことを。
ところがソウゴたちが駄弁っているうちにだんだん人里が何かと騒がしくなってきた。


チルノ「一体何だろ?また変な虫でも現れたのかな?」

団子屋店主「変な虫……?ああ、あいつらな。おいあんたら、早いトコ逃げた方がいいぞ。ここ最近黒いクワガタとそいつを使う男が無差別に人を殺してるんだ」

鎧凰丸「何?無差別殺人?」

鎧丸「……嫌な予感がするでござる………すぐに行かねば!」


店主の話を聞いた鎧丸が何かを察したような表情をし、騒ぎが起きている場所まで飛んでいった。


チルノ「あっ、待ってよ鎧丸!パートナーのあたいを置いてくなー!」

団子屋店主「あっ、ちょっと!?」


残ったのは先ほどまで鎧丸とチルノが食べていた団子。やれやれといった表情でツルギは財布を取り出し、金を店主に差し出す。


ツルギ「店主、金はここに置いておく。釣りはいらん」

大妖精「ツルギさん、チルノちゃんと鎧丸さんが行っちゃいましたが…」

ツルギ「手を煩わせるわけにはいかぬだろう。まだ未熟な一面もあるのだ、我々も行かねばなるまい」

団子屋店主「ちょ―――――」


ツルギが金を払ったのを確認すると、全員店主を無視してチルノと鎧丸が向かった騒ぎの中心へ駆けつけていった。
店主が言っていた黒いクワガタ。一体どんなクワガタが暴れているというのか。










全員『!!!!!!!!』


騒ぎの中心へ駆けつけた霊夢たち。そこにはすでにチルノと鎧丸も来ていたが、霊夢たちはそこで恐ろしいものを目の当たりにした。


小太りの中年男「ひ、ヒエェェェ!!お願いだ!有り金全部やるからどうか見逃してくれぇ!!」

オズワルド「………………」

ソウゴ「あれは………あのクワガタは………見たら必ず不幸になる『死神甲虫』オズワルド!!」


そこにいたのは団子屋の店主が言っていた黒いクワガタことアルケスツヤクワガタのオズワルド、そして家を出る前オズワルドと妻に暴力を振るっていた夫。
夫はオズワルドに命令を下し、オズワルドは大顎で中年の首を挟む。止めようとする間もなく中年は首をへし折られ、同時に骨が砕ける不気味な音が全員の耳に入った。


霊夢「なんて…………ことを…………!!」

オズワルド「………………(恨むならあの歩く粗大ゴミにしてくれ。俺が人を殺したなんて、死んだパートナーたちに口が裂けても言えん)」

夫「チッ、たったこれだけかよ。この役立たずめが!!」


中年の財布を懐から抜き取った夫は中身を確認するも、あまり入っていなかったのか、八つ当たり
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