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幻想甲虫録
死神甲虫オズワルド
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チルノ「そうだよ。さいきょーのあたいに感謝しなさい!」

ツルギ「いつも落第点のお前も感謝という言葉を知ってたのか……」


幻想郷には『寺子屋』という今で言う学校と同じものがあり、チルノと大妖精はその施設の生徒である。自称最強を名乗るチルノだが、ツルギの言う通り試験の成績はいつもクラスの中では最下位だった。
例えば算数の試験があったとする。どういうわけか答えが『9』の式は正解し、それ以外は全て不正解。鎧丸も彼女の成績を上げようといつも勉強を教えているが、いつも徒労に終わり、毎回教師の雷が落ちるため、鎧丸もとばっちりを食らっている。彼女のいたずらのみならず頭を抱えていた。
するとツルギがなぜ霊夢の頭に乗っているソウゴがミイラ男ならぬミイラ虫状態なのか不思議に思い、声をかけた。


ツルギ「ところでソウゴ、そのケガは一体?」

ソウゴ「これ?正邪とそのパートナーに急に襲われて……」

霊夢「しかもあいつにジャンケンの常識をひっくり返されたの。グーはチョキに、チョキはパーに、パーはグーに勝つでしょ?ソウゴがローリングスマッシュ出したら、正邪のオオクワガタのハサミ技が勝ったのよ。改めてあいつの能力の恐ろしさを知った……今思い出しただけでもゾッとするわ………おかげでソウゴ死にかけたのよ?」

大妖精「死にかけた!?大丈夫なんですか!?」

ソウゴ「うん。でもヘルクスって虫が来て俺を助けてくれたんだ。ヘルクスが来なかったら今頃俺は………」


改めてヘルクスが来ず、ゲイツに殺される自分を想像してみる。鳥肌どころか全身にチクチクするような痛みが走ってきた。


ソウゴ「うっ…イテテテテテ!なんかチクチクするんですけど!」

鎧丸「ああソウゴ殿!無茶は禁物でござる!」

霊夢「変なこと想像するからでしょ!」

ツルギ「……一度永遠亭に行って薬をもらってくるか?」


呆れ顔のツルギ。しばらくソウゴたちを見ていたが、彼らをよそに鎧凰丸にパートナーであるレティがいないことを問う。


ツルギ「ところで鎧凰丸様、レティがいませんが…」

鎧凰丸「レティ殿か?彼女なら今洞窟で休んでいるぞ?」

ツルギ「そういえば冬の妖怪でしたね」


一方で大妖精も新聞の記事の話題を出していた。出したのはもちろんソウゴが甲虫の王者にして魔王になるかもしれないという話題だ。


大妖精「ところでソウゴさん、今日の新聞読みましたか?」

ソウゴ「あー、あれ?魔理沙が持ってきたのを読んだんだけど………確かに言ったのはマジだぜ!?どう考えてもおかしいじゃん!!あの烏天狗、せめてもうちょっと間ァ開けてから流してよ!!」

鎧丸「文殿の仕業でござるか……全く、パパラッチにもほどがあるでござる……」


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