ボートに乗ろう
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いすごい! るんって来た!」
「る、るん?」
可奈美がその言葉に首を傾げる。
すると紗夜が、頭を抱えて「すみません衛藤さん。日菜の悪い癖です」と謝罪した。
続いて、ココアが日菜へ尋ねる。
「あれ? もしかして、紗夜ちゃんの妹?」
「そうだよ! 私とお姉ちゃんは、双子なんだよ! すごいでしょ! るんってくるでしょ!?」
「双子なんだ! でも、学校では見たことないかも……? もしかして、見滝原高校じゃないの?」
「ああ、私、風見野高校だよ。お姉ちゃんとは別なんだ」
「もういいでしょ? 日菜が乗ればいいわ。私はこれで……」
紗夜は冷たくあしらう。だが、そうは問屋が卸さない。
「ねえねえ、お姉ちゃんも乗るでしょ? だったら、一緒に乗ろうよ!」
「私は……」
「はい! くじ引きできたよ!」
紗夜が否定の言葉を言い終える前に、友奈がいつの間にか付箋でくじ引きを作り終えていた。紙を大きさもバラバラに切り分けたものだが、友奈の手によって、番号分けされていた。
「日菜ちゃんも、お姉ちゃんと乗るのも楽しいと思うけど、私たちとも乗ってみようよ! きっと楽しいよ!」
「うーん……私はお姉ちゃんと乗りたいんだけどなあ……」
日菜は目をぐるりと回す。
やがて。
「でも……新しい人たちと行くのも……るんってきたああああああああああ!」
「それじゃあ決まりだね!」
モカがウインクした。
「あと、一位の人は、何でも命令できることにしましょう」
「やっぱり雰囲気ぶち壊し!」
「あはははは! るるるんってきたあああああああ!」
日菜はそう大喜びで、友奈の手からくじを引いた。
「あたし、四番! 四番の人、一緒にるんってしよう!」
「どういう紹介なんだか……あ、俺一番」
ハルトが続いて引く。友奈は、「それじゃあみんな! じゃんじゃん引いて行って!」と皆に促した。
最後に紗夜が引いて、友奈の手元にも一枚だけ残った。
「それじゃあ、皆で一緒に、競争だよ!」
結果。
ハルト、紗夜。
「えっと……まあ、気軽にやろうか」
「……ええ。そうですね」
真司、ココア。
「モカちゃんにいいところ見せてやるぞ!」
「お姉ちゃんにいいところ見せてやるぞ!」
響、チノ。
「頑張ろう! チノちゃん!」
「は、はい……響さんと……一緒……ッ!」
友奈、日菜。
「あははは! るんって来た!」
「頑張ろうね! 日菜ちゃん!」
モカ、可奈美。
「よろしくね、可奈美ちゃん」
「はい! 私も頑張るよ!」
という組み合わせになった。
そして、可奈美が反対の岸を指さす。
「ねえ。それじゃあ、向こう岸の
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