七十匹目
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二人とも。でも僕はそれでお前たちが倒れる方が心配だし、もしもの事があれば悲しい。
この世界にはエリクシルがあるとはいえ、必ず間に合うとも限らない。
この世界よりもはるかに発展した科学世紀でも車に取り残された子供が熱中症で死ぬなんて毎年の事だった」
エリクシルは万能の薬だ。
でもそれに頼るのはよくない。
結局のところ個人の健康は個人で守るしかない。
秤で塩と砂糖を量り、コップに入れる。
後は水を魔法で注げば簡易的なスポーツ飲料ができる。
「これ、飲んで。拒否権は無いよ」
二人にコップを差し出す。
コップの容量は科学世紀の単位で300?くらい。
おなかが冷えないように常温より少し低めの温度だ。
「全部ですか?」
「ぜんぶ?」
「少しずつでいいよ。でもそれ全部飲んでね」
二人が大きなコップを両手でもってあおる。
うん。かわいね。
二人がコップを口から放してふぅと息をつく。
さて…少し休んだら部屋に戻ろう。
今日はもうゴーレムの練習はやめて別の物を作ろう。
今まで作ろうと思いつつも必要性が無くてやらなかった物だ。
しかし今は必要性が出てきている。
ただ使う物がちょっと危ない。
部屋で硫酸使うのは危ないか…?
いや、気を付ければ大丈夫か。
幸いポーションはいくらでもあるし。
二人を部屋へ押し込んで、代わりのメイドを呼んで部屋に戻る。
連れてきたのはメイド長のエリザだ。
うん。なんでメイド長が来るの? そういうのって普通部下にやらせるんじゃないの?
僕がちょっと危ない錬金するって言ったせいか?
(十中八九それしかないと思いますが)
自分の中からティアの肯定が返ってくる。
なおさっきのティアの子機二人はメアとイゼルを看ている。
「シラヌイ様、何を御作りになるのですか?」
「ん。風を起こし続ける絡繰を作る予定だよ。その動力源に硫酸と鉛を使う」
つまりはロリメイドのために扇風機と鉛蓄電池を作ろうと考えたわけだ。
気を付けるべきは硫酸に触れないこと、感電しないこと。
とはいえ魔導書に練成式と完成図を特殊インクで書けば形はその通りになるので早々事故は起こらないはずだ。
つまるところ、今からやるのは図面を引くのと練成式を組み立てる作業である。
危ないのは実際に練成する最後だけだ。
「多分見てても面白くないよ?」
「大丈夫です。貴方を見ているだけで私は楽しいですから」
図面を引いて、必要な物を書き出していく。
電槽の内側は石英ガラスでコーティングするような構造になっている。
石英ガラスは科学世
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