六十九匹目
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だがそれは此方も同じ。
それはそうと、面倒なのはきらいだ。
直球で聞こう。
「それで、レディ、私に何の御用で?」
「そうねぇ。貴方私と勝負する気あるかしら?」
「ええ、構いませんよ」
席に向かう僕の手をクーちゃんが取った。
「シラヌイ、貴方相手がわかってるの?」
「いや、わかんない。あれだれ?」
「ピスト家の次女よ。ヴェレーナ・ピスト」
ピスト公爵家?大物じゃん。
「あら姫様、どうかされました?」
「なんでもないわヴェレーナ。うちのシラヌイと遊んであげて」
これ年下に絡む嫌な先輩そのものだけどそれでいいのか公爵令嬢。
まぁ、とはいえまだ小中学生の年齢だ。
一番自尊心が肥大化する時期。
そして僕も、その自尊心を持っている。
席に座る。
ディーラーも多分グルかな。
イカサマを見破れば勝ちだ。
負けても適当な練成物の装飾品を渡せばいい。
特に懐は痛まない。
「それで何をかけますかレディ?」
「そうね…このネックレスでも賭けようかしら?」
と胸元のネックレスを指さした。
大粒のダイヤモンドがあしらわれたネックレスだ。
「そうですか。では私はとりあえずこれでも賭けましょうかね」
アイテムボックスから取り出しましたるは…。
「ルビー、サファイアの混合石をカットしたものです」
縦10センチ、対角線5センチの六角柱練成宝石。
中間あたりで赤と青で別れている。
科学世紀のプラスチック製アクセサリでこんなのあったなぁなんて思って前に作ったはいいが大きすぎて装飾品にできなかったやつだ。
それをコンとテーブルに置くと歓声が起こる。
「でははじめます」
ディーラーの男子生徒ーたぶんヴェレーナの臣下かなにかだろうーが若干気圧されたようにカードを配る。
近くで見ていてもその手つきはごくごく普通。
セカンドディールやボトムディールなどのイカサマをしてる様子はない。
ってーことは…。
配られて伏せられているカードをじっとみつめる。
よーく見るとなにやら個別のマークが。
なるほど。特殊な塗料でカード裏にマークを書いてるわけか。
となればカギはあの眼鏡だな。
たぶん偏光フィルタに近い仕組みでカード裏に描かれたマークを読んでいるだけだろう。
単純でわかりやすく、それでいてバレ難い。
実に見事だが、相手が悪かったようだ。
きっと僕がこのマークを読み取れるのは、どういう仕組みかはわからないが僕の中に今もある吸血鬼の因子のお陰だろう。
最近夜目が利くようにもなったし…。
でもこれ目がいい亜人種族、それこそラミアとかの可視光
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