六十八匹目
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りに大きな派閥でして」
その言葉を遮るようにしてクーちゃんが不満げに言った。
「勧誘かしら?」
「いえ! そのような身の程もわきまえぬような事をいうはずが無いではありませんか。逆ですよ。我々を姫様の手足として」
「要らないわ。話がそれだけならもういいかしら? そんな無駄話より貴方たちも料理を楽しんだら? 例年とは違ってうちのシラヌイが構える店が用意した甘未よ。楽しんでちょうだい」
「あ、あの、姫様?」
「貴方たちの協力はいらないわ。どうせ学園内の政治は興味ないもの。それに私にはもう優秀な部下が三人いるの」
そして帰れと言わんばかりに大口で甘未をほおばる。
「わかりました。もし何かあれば我々は強力を惜しまないのでいつでもお尋ねください」
そういって彼は部下を連れて帰っていった。
「いいの? あれ。部下の方今にも飛び掛かりそうだったけど」
「その時は貴方がどうにかしていたのでしょう?」
そりゃぁそうだけど。
「で、メリー。ヤクトの派閥については?」
シャクティがメリーちゃんに尋ねる。
「ようは狩猟同好会。さっきのヤクトが、一から作り上げた、正真正銘、ヤクトの派閥。
ヴォルガ家は、ウェアウルフの家。軍内でも、そこそこの地位。
ヤクト自身も、銀級冒険者」
たしかヤクト先輩のお父様であるヴォルガ伯爵は攻勢師団群の第一師団、つまりは歩兵部隊の大隊長の一人だったはず。
「銀か、結構な実力者なのだな」
なお僕らのパーティは鉄級。
試験が面倒だし、ギルドの優遇制度が欲しいわけではないからだ。
「うん。強い。学園内では、強い部類。でも問題、ない」
「そう。ならいいわ」
メリーちゃんの発言に興味をなくしたようにクーちゃんが切り捨てた。
「くーちゃん、一応言っとくけど数で押されたら僕ら無力だからね?」
数をひっくり返す魔法もあるができれば使いたくない類の物だ。
「慢心しては無いわシラヌイ。ちゃんとあのグループがどれくらい魔法を使えるかは確認したもの。私よりも耳がいい貴方ならわかるでしょう?」
僕とクーちゃんはエルフ族の血を引いている。
それはつまり魔力を感じる耳を持っているということだ。
確かにヤクト先輩とその部下たちの魔力はそう高くはなかった。
あの魔力量であれば大魔法の行使や魔法の連発は不可能だろう。
であればアウトレンジからの魔法攻撃で勝てる。
が、しかし。
「たしかにあの中にはいなかったけど、彼らは派閥の代表。彼らの派閥に魔法に秀でたものが居ないとは限らない。むしろ狩猟同好会なら後方要員がいないはずが無い」
魔物と戦うなら魔法を使える後方要因が必要になる。
物理攻撃が効
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