暁 〜小説投稿サイト〜
幻想甲虫録
刻まれし始まり 後編
[6/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
可能性は未知数だ」


そのセアカフタマタクワガタはソウゴを評価するような目で見ており、そう呟いた。彼の名は『デストロイヤー』。数多の世界を渡り歩くクワガタだ。何か目的があって幻想郷へ来たのだろう。
だがこの時、デストロイヤーは気づいていなかった。背後からもう1匹のクワガタが忍び寄ってきていたことを。


デストロイヤー「まあ、もし甲虫の魔王になるような未来に確約されてるならこの世界を破壊するしか―――――」

シアンのグランディス「やあ、デストロイヤー。こんな所にいたんだね」

デストロイヤー「ゲッ、『イーストシー』!?」


もう1匹のクワガタことグランディスオオクワガタのイーストシーはソウゴたちを見るデストロイヤーに話しかけるが、彼は思わず嫌そうな顔をしてしまった。


イーストシー「もういい加減ナマコを食べられるようになった?」

デストロイヤー「お前に言われたくない。てか、何セクハラしようとする?ナマコぶつけるぞ」

イーストシー「残念だけど幻想郷には海がないからナマコは…」

デストロイヤー「言うと思った。ほい」

イーストシー「え゛?」


デストロイヤーは自分の持っている荷物からあるものを取り出した。
イーストシーの言う通り、幻想郷には海はない。海はないはずなのだ。にもかかわらずデストロイヤーの荷物からは………ナマコが出てきたのだ。


イーストシー「何でナマコ持ってるの?」

デストロイヤー「どうした?お前はナマコ食えるんだろ?」

イーストシー「あ……えーっと、僕ちょっと用事を思い出した。そろそろ行かなくては。『キリガクレ』」


煙に紛れて姿を消し、上から挟み込んで地面に埋めるハサミ技『キリガクレ』。本来ならその攻撃のはずだが、去るためにも使用できるらしい。
逃げるように姿を消したイーストシーにデストロイヤーはため息をつく。


デストロイヤー「………幻想郷の住民にナマコでも渡そうかな。イーストシー対策として。あいつ絶対お宝狙うからなぁ……」










ところ変わって、ある森にて。
血のように赤い体色のギラファノコギリクワガタが雑魚妖怪の死体の生き血をすすっていた。


???「ペッ、まずい。クソガキ共の相手をするのはもう飽きた。まだまだ足りねぇなぁ………こんな血じゃ全く満たされねぇ………」


その血を吐き出した後、大顎で死体の首を切断し、空を睨みつける。


???「もっと生き血が欲しい。もっと殺して、もっと血が欲しい!甲虫のクソ野郎共を1匹残らず殺し尽くしてやる………!!」


悪も動き出そうとしていた。
左目と全身に負った引っ掻き傷が特徴的なギラファノコギリクワガタ、その名は『ディアボ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ