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幻想甲虫録
刻まれし始まり 前編
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らウォズが現れたんだもん」

霊夢「だとしてもその虫は外の世界の虫じゃん……」


ますます混乱してしまった。
混乱する霊夢をよそにソウゴは何か考えている。


ウォズ「外の世界……というより…あなた方からすれば並行世界、異世界という意味合いでいいのかな?そう言われても仕方ないですね。ですが私の説明はあくまで未来の出来事。我が魔王が『甲虫の王者ムシキング』を目指す限りは、少なくとも魔王になるという未来があるということをお忘れなく」

ソウゴ「………だったら未来の霊夢は?」


何気ない問いにウォズは少し暗い雰囲気に当てられた。


ウォズ「………我が魔王、それは酷な話です。できることなら、それは話さない方が―――――」

???「おーい霊夢ー、遊びに来たぞ〜!」

コーカサス「おーいソウゴ遊ぼうぜ〜!」

霊夢「魔理沙!」

ソウゴ「おう、ギルティ!」


ウォズの話を遮るように遠くから声が聞こえてきた。声がした方へ振り向くと、箒に乗った魔女とコーカサスオオカブトがこちらへ向かってきていた。
魔女の方は『霧雨魔理沙』、コーカサスオオカブトの方は『ギルティ』といった。ギルティと呼ばれる甲虫は金色の前翅、黒くたくましい角を持ったコーカサスオオカブト。魔理沙のパートナーにして、ソウゴの親友でもありよきライバル関係でもあった。


ウォズ(……いつかは話さなければならないとはいえ、それを我が魔王に伝えるとなると、きっとショックを受けるだろう………)

こいし「ん?ウォズ?」


魔理沙とギルティの方に顔を向けた霊夢とソウゴにウォズは少しホッとし、こいしはどうしたのというような表情でウォズに声をかけた。


ギルティ「なあソウゴ、こいしと一緒にいる白いカブトムシ、一体何なんだ?」

ソウゴ「未来から来たんだってさ。こいしにはいつも会ってるけど、鈴奈庵から出たらこいしと一緒にいたんだよ」

ウォズ「我が魔王、その魔女とコーカサスはあなたのご親友ととらえてよろしいかな?」

ソウゴ「うん、ウォズ(魔理沙が一番仲いいのは霊夢なんだけどね………)」


飛び上がってソウゴに声をかけたウォズと初対面の魔理沙とギルティは自分たちのことも覚えてもらおうと思い、自己紹介することに。


魔理沙「へー、お前ウォズっていうのか。私は霧雨魔理沙ってんだ。よろしく!」

ギルティ「俺はギルティ、よろしくな!」

ウォズ「霧雨魔理沙にギルティ君ですね。では改めまして、私はウォズ。未来から来たグラントシロカブトにして、古明地こいしのパートナーにございます。以後お見知りおきを」


お互い自己紹介を済ませ、魔理沙が目を光らせる。


魔理沙「なあウォズ。お前未来から来たんだっ
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