第六百二十二話 お茶だけでその六
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「凄い人ね」
「最期は可哀想だけれどね」
七海は利休のこのことから述べた。
「切腹したから」
「秀吉さんと揉めてよね」
「色々あったみたいね」
切腹させられるまでにというのだ。
「どうも」
「それでも立派に切腹したのよね」
「そうよ、潔くかつ毅然としてね」
このことは歴史にある通りである。
「そのうえでね」
「切腹した」
「武士ね、それだと」
「そうだよね」
「利休さんも武士よね」
「あっ、武士じゃなかったわ」
ここでだ、七海は二人に答えた。
「利休さんは」
「ああ、そういえばそうだね」
「利休さんは商人だったわ」
「元々そうで」
「出家していたのよね」
「そう、お坊さんだったのよ」
日本人でない二人に答えた。
「だから本来はね」
「切腹しなかったんだね」
「武士だから」
「切腹は本来武士の自決だったの」
七海は二人にこのことも話した。
「だから昭和までの軍人さんもね」
「武士だからだね」
「切腹していたのね」
「三島由紀夫さんも」
昭和の文豪の彼もというのだ、この時代でも広く読まれている文豪でありそれは連合全体でのことだ。
「そうだったけれどね」
「あの人もだったね」
菅が応えた。
「最期はね」
「自衛隊の決起を言って」
自衛隊の基地、市ヶ谷においてのことだ。
「その後でね」
「そうだったね」
「大事件だったそうね」
「当時はね」
まさに日本全体を襲った青天の霹靂であった。
「歴史にも残っているから」
「それだけのことだね」
「あの人も武士に憧れていて」
「戦前の軍人にもかな」
「それでね」
そのうえでというのだ。
「切腹したのよ」
「介錯の人もいて」
「本当に武士のもので」
切腹はというのだ。
「利休さんも本来はね」
「切腹しなかった」
「そうなのね」
「けれど武士にも負けない切腹をして」
そうしてというのだ。
「その誇りを見せてね」
「世を去ったんだね」
「そうなのね」
「そう、そしてその利休さんからね」
立派な切腹を果たした彼からというのだ。
「今の茶道ははじまるのよ」
「千家は今でもあるわね」
彰子は茶道の流派の話をした。
「表も裏も」
「そうよね」
「八条学園はどちらだったかしら」
表千家か裏千家かというのだ。
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