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レーヴァティン
第二百十二話 急襲その六

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「もう何から何までな」
「ああはなるまい」
「それや」 
「そう思って常に意識すべきか」
「あの国はな」
「だよな、というかあれは無理だな」
 久志は笑って述べた。
「あの国みたいな政はな」
「出鱈目過ぎてな」
「意識して馬鹿な政やってな」
「やっとやな」
「出来るものだろ、我が国にも変な殿様いてな」
 江戸時代でもいることはいた、島原の乱は当時の島原藩のとてつもない悪政が原因であったことは歴史にある魯落ちだ。
「馬鹿な政もしたな」
「それでもあそこまではな」
「流石になかったな」
「国民餓えさせて軍隊と自分の贅沢に全振りとかな」
 予算も国力もそうさせている。
「流石にな」
「普通はせんやろ」
「国家予算軍隊が二割五分でな」
「将軍様の贅沢で二割や」
「それだけで半分近くってな」
「こんなアホな政今時ないで」
「どんな暴君の政なんだ」
 久志も首を傾げさせた。
「一体な」
「うちもそう思うわ」
「ああした政は相当狙わないとな」
「出来んけどそれでもな」
「極端なサンプルとしてな」
「見ていくことや、真似したらあかん」
 それこそ絶対にというのだ。
「何から何まで」
「建築もな、俺建築はな」
「興味あらへんな」
「宮殿とか造ってもな」 
 巨大かつ壮麗なそれをというのだ。
「寝る場所とか食う場所、くつろぐ場所があればな」
「ええなね」
「他はな」
 どうにもというのだ。
「いらないっていうのがな」
「自分の考えやな」
「そんなにいいか?」
 眉を顰めさせての言葉だった。
「ベルサイユ宮殿みたいなの建てても」
「自分の贅沢と栄華の象徴と権威付けにな」
「それで建てるんだな」
「そやで」
「贅沢って普通に飲んで食ってたらな」
 好きなものうをというのだ。
「それでな」
「贅沢やな」
「そうだろ?それで栄華もな」
 これもというのだ。
「贅沢と一緒でな」
「飲んで食べてやな」
「それだろ。それで権威はな」
 最後はこちらの話をした。
「後でついてくるものでな」
「特にやな」
「いらないな」 
 こう言うのだった。
「別にな」
「宮殿っていう形やと」
「そんな高い予算かけてな」
「造るもんやないな」
「別にな」 
 これといってというのだ。
「だからいいさ、それで建築の金はな」
「軍に使って」
「それで内政にな」 
 こういったものにというのだ。
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