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おぢばにおかえり
第六十五話 心配していてその十一

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「そんな奴は」
「そうした人は無視しなさい」
「攻撃しないで、ですか」
「確かにお付き合いしたくない人だけれど」
 間違っても信用出来ないです、自分もそうされると思うと冗談ではないです。
「自分しかない人だしね」
「はい、この人より酷いですね」
 先輩を見て言うのでした。
「そんな奴は」
「だから先輩を引き合いにしないの」
「そうですか」
「そうよ、それで結局先輩のことは」
「絶対に許さないですよ」
 このことは変わりませんでした。
「何があっても」
「そうなのね」
「はい、僕から見て凄く残酷で嫌いな相手には信心を見せない人ですね」
「おみちの人として駄目だっていうの?」
「そうです、こんな人とはお付き合いしたくないです」
 この考えは結局変わりませんでした、正直残念です。
「お話もしたくないです。ですが」
「ですが?」
「反省して何とか自分で更正されるお考えなのはわかりました」
 このことはというのです。
「真剣にそうされていますね」
「ええ、それはね」
 先輩は力のない声で阿波野君に答えました。
「そのつもりよ」
「そのことはわかりました」
「そうなのね」
「僕は何があっても貴女は嫌いですし許せないですが」
 それでもというのです。
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