第二章
[8]前話
「ああしてです」
「仲良くだね」
「そうして遊んでるのね」
「そうなんです」
「コンコン」
「ワンワン」
「ワンッ」
三匹は仲良く遊んでいた、夫婦はそんな彼等を見て目を細めさせた。
そして夫婦で旅行に行った時にだった、行った先はトルコだったが。
そこで入った動物園で下半身に車椅子を付けて動いている狐を見た、夫婦はその狐達を見て動物園のスタッフに聞いた。
「あの子はどうしたのかな」
「どうして車椅子に乗ってるのかしら」
「実は元々は野生だったんですが」
スタッフはその狐を見つつ夫婦に話した、見れば車椅子を使って元気に動いている。
「交通事故に遭って」
「ああ、それでだね」
「脚が悪くなったのね」
「腰椎骨折になって」
そしてというのだ。
「後ろ足が不自由になりまして」
「それでなんだ」
「ああしてなんだ」
「こちらで保護しまして」
動物園でというのだ。
「育てていて」
「移動はだね」
「車椅子でなのね」
「そうなっています。雄で名前はムスタファといいます」
性別と名前も話した。
「明るくて人懐っこくていい子ですよ」
「そうなんだね」
「性格はそうした子なのね」
「そうです、これからもです」
スタッフは夫婦に笑顔で話した。
「ムスタファはここで元気に暮らしますよ」
「それは何よりだね」
「これからも幸せでいて欲しいわ」
「コーーーン」
ムスタファは笑顔で走り回っていた、車椅子に乗ってそうしている彼はとても幸せそうだった。その彼も見て。
夫はホテルに帰った時に妻に言った。
「僕達は結構狐を見るけれど」
「いい生きものね」
「妖力を持つともいうけれど」
アジア系なので日本や中国の話も思い出した。
「それでもね」
「見ていて可愛くてね」
「癒されるわね」
「だからこれからも」
「狐を見てね」
「楽しんでいこう」
「そうしましょう」
夫婦で話した、そしてアメリカに戻るとすぐに牧場に行ってアイラを見てかつて子狐達がいた自宅の庭を見た。するとそれだけで笑顔になった。
ハッピーフォックス 完
2021・7・17
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