第一章
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二匹の犬達の絆
ウクライナウージュホルドの動物救助隊は冬の線路の上に犬がいると聞いてそこに向かった、すると。
そこに犬がいた、見れれば茶色の長い毛で覆われた垂れ耳の大きな犬だ、その犬は線路の上で動けないが。
「クゥ〜〜ン」
「クゥ〜〜ン」
「もう一匹いるな」
「そうですね」
「犬がいるとは聞いてたけれど」
「二匹いるなんて」
「あの、実は」
連絡をした男の人が言ってきた。
「怪我をしたのは一匹なんですが」
「もう一匹ですか」
「もう一匹は無事そうですが」
「二匹いて」
「それでなんですか」
「もう一匹は動けない方を必死に庇っているんです」
見ればそうだった、常に寄り添っている。
そこに列車が来た、それでだった。
「危ない!」
「はねられるぞ!」
スタッフ達が叫んだ、だが。
動ける方が動けない方の上に覆い被さった、二匹共必死に頭を垂れていた。そうして自分達の上を通る列車をやり過ごした。
列車が通り過ぎてだ、スタッフ達はほっとした。
「よかった」
「たすかった」
「二匹共無事だ」
「動ける子が動けない子をああして守ってるか」
「そうなんだな」
「はい、そうしているのを見て」
男の人は彼等に話した。
「私もです」
「通報されたんですね」
「そうなんですね」
「それで、ですね」
「あの子達を」
「助けて下さい」
こう言ってだった。
二匹を助けてくれる様にさらに言った、スタッフ達は早速だった。
動けない犬に近寄って担ぎ出そうとした、だが。
「クゥ〜〜〜ン」
「ワン・・・・・・」
動ける子は連れて行こうとする彼等の一人の服の袖を噛んだ必死に首を振る、彼等はそれを見て言った。
「この子が心配なんだな」
「だから寄り添っているし」
「連れて行かないで欲しい」
「そう言ってるんだ」
「だったらこの子も連れて行きましょう」
スタッフの一人が言った。
「そうしましょう」
「そうだな、それがいいな」
「物凄く心配そうだし」
「そこまで心配なら」
「この子も保護しよう」
「動けない子だけじゃなくて」
「宜しくお願いします」
連絡をした男の人も是非と言った、そしてだった。
二匹同時に保護されてセンターに収容された、そこで。
動けない子は収容されてすぐに手術を受けた、その結果。
「重傷ですが」
「それでもですか」
「完治します」
獣医はスタッフに話した。
「ですから」
「安心していいですか」
「はい」
そうだというのだ。
「ですからご安心下さい」
「それは何よりです」
「ただ」
獣医はここでだった。
その犬を見てだ、スタッフに話した。
「動ける子がです」
「その子にで
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