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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
あたしと香子は、幻想を知る
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と言うけどきっとお茶の淹れ方も完璧なのだろう。
「早速取材に入りたいんだけど、いいかな?」
「いいですよ。なんでも聞いてください。」
そう言われ、取材の時間が始まった。
神社のこと、彼女自身のこと、そして
「幻想郷…?」
話の度に、彼女の口から出てくる"幻想郷"というワード。
あたしはそれが気になった。
「その幻想郷ってのは…何処にあるの?」
「正確には"ここ"じゃない何処か。僕はこの世界の住人じゃなくて、幻想郷からやってきたんだ。」
そうしてソフィーさんが説明を始める。
「忘れ去られたモノがたどり着く、幻想の終着点。それが幻想郷。僕達はそこで楽しく平和に暮らしていたんだけど…。」
「だけど?」
「いきなり訳の分からない妖怪が溢れて、このままだと幻想郷もこの世界と同じようになってしまう。」
そういうこともあって、自分はその"異変"の原因を探るためにやってきた。とソフィーさんは言った。
「でもこの世界も面白いね。サーヴァントって言うの?みんなそうやって大切な人達を連れて、こんな世界でも一生懸命生きてる。」
「まぁ…そうですね。」
「ところで隣の方は恋人?」
「ぶほっ!?」
突拍子もない事を聞かれ変な声が出た。
「えっ、こ、恋人?」
「そ。なんか来た時からすごく仲良さそうだったから。サーヴァントとマスターでそういう関係になるのも珍しくないって言うし、気になってたんだ。」
「いやまぁ…はい。」
確かに、あたしと香子は大変親密な関係になっている。
毎晩体を重ね。仕事中も隙あらば見えないところでいたずら(意味深)したりするくらいには仲良しだ。
けど、あまり堂々と言えるものでは無い。
「なに〜?なんか騒がしいのだけれどぉ?」
と、変な空気になったこの場に、少しのんびりとした声が聞こえ、あたしの後ろの襖がガラッと開いた。
「…!!」
「あらお客さん?」
赤い髪の女性。
welcome Hellとプリントされたオシャレなシャツを着こなした大人の女性が現れたのだ。
「うちのソフィーがどうも〜。私は保護者の」
「いいから下を穿きたまえ!!」
そのオシャレなTシャツだけを着た状態で。
そう、Tシャツだけ。
あたしの前に何も隠さない下半身を晒した状態でだ。
勿論、エミヤが慌てて部屋に戻す。
「私何かしたかしら?」
「客人にとんでもないものを見せたな!いいからすぐに下を穿きたまえ!!」
「別に見せても恥ずかしくないのよん?ほら、私女神だし。」
「女神でも恥じらいは持って欲しいものだがね!!」
改めて。
「私はソフィーの保護者。地獄の女神様ことへカーティア・ラピスラズリよん?よろしくね。」
「源…葵です。」
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