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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
あたしと香子は、幻想を知る
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香子、葵様を一人前のあいどるにすべく全力で支援致します。言うなればぷろでゅうさぁ、紫式部P。そうお呼びください。」
「いや、香子も出るんだよ。」
「え?」

そうして、あたしと香子のアイドルレッスンが今日から始まった。


?

「〜♪」

一方その頃。
崩壊した商店街、そこら辺の瓦礫に腰かけ、森川 真誉は鼻歌を歌いながらあの時借りた本を読んでいた。
そして…

「いーらないっ。」

読みかけの本を両手でしっかりと持ち、そのまま引き裂く。
分厚い本はビリビリと破れ、紙束となる。
真誉はそれを空高く投げ上げると、ふふふと笑った。

「安倍晴明の本なんていらないよ。だから返す必要も無いし、ここで捨てちゃおう。ねー。」

と、そばに置いていたぬいぐるみを手に取りそう話しかける。

「桜ちゃんはどう思う?うーん、そっかぁ。そうだよねぇ。」

その光景は、明らかに異常であった。
幼気な少女がお人形遊びをするのはまだ微笑ましい光景だが、
今こうしてぬいぐるみに話しかけているのは18歳の女性だ。
彼女には人形の言葉が聞こえているのかどうか、時々うんうんと頷きくすくすと笑ったりする。
ぬいぐるみと自分だけの時間。
だが、そこに邪魔者が割り込んできた。

「ねーキミ、何してんの?」
「?」

真誉が顔を上げると、そこにはいかにもな格好をした若者5人組。
皆手には何かしらの武器を持ち、そして全員がニタニタと下心全開の笑みを浮かべている。

「…だれ?」
「俺達?通りすがりの優しい人。危なかったよキミ、もし見つけたのが俺達じゃなかったら酷い目にあってたからね。」

全部、ではないかもしれない。
しかしこの崩壊世界において無償で人を助ける者などほとんどと言っていいほど存在しない。
無論、この男達もそうだ。
真誉に話しかけた男は爽やかな笑みを浮かべてはいるが、後ろにいる男達からはニヤニヤとした下心の隠しきれない笑みを浮かべた奴がいる。
無防備な女を見つけた。
なら、ヤることは一つしかない。

「ほら、来なよ。俺達が安全なとこまで案内してやっからさ。」
「…うん。」

戸惑うような素振りは見せず、彼女は迷うことなく差し出された男の手を取った。

「…?」

その時、1人の若者があることに気付いた。

「どうしたよ?」
「ん、ほら、あそこでじっとみてるやつが…ってあれ?」

相方が訪ねるが、どうやらここから少し離れたところから男がこちらをじっと見ていたとのこと。
しかし指さした先には何も無い。

「いねーじゃん。お前幻覚見えてんじゃね?」
「いやマジだって!あそこに変な格好したデッカイやつがいたんだって!にやにやしながらこっち見てたんだよ!し、しかもなんか寒
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