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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
あたしと香子は、幻想を知る
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で勝って完膚なきまでに自信を砕いてあげようか。

「ええ、あなた達が勝てばここは諦めてあげる。とはいってもあくまで"勝てたら"の話だけどねーっ!」
「…。」

なるほど。
あちらは完璧に自分達が勝てるなんて思ってる。
いわゆる慢心、舐めプってやつだ。
ここまでされればあたしだってムキになる。
それにさっきからまな板まな板と好き勝手に…!
怒りは時として、出来もしないことを出来ると言わせてしまうんだ。

「じゃあ分かったよ。やってやるよ!アイドルになってアンタらを打ち負かせばいいんでしょ!」
「へぇ…アイドル魂に火がついたようね…いいわよまな板!打ち負かしてみなさいな!ぺったんこのアンタにやれるもんならね!」

キレそうになるが…待て、落ち着けあたし。ここはあたしが大人になるんだ。大人の対応を見せつけろ。
ともかくアイドル魂がどういったものかは知らないけど、とにかくやると決めたからにはやる。
図書館が失われるかどうかの勝負なんだ。ここはやるしかない。

「それじゃあ勝負は1週間後!それまで精々アタシ達のアイドルらしさに見惚れて驚く事ね!!」
「それじゃあ、失礼しました!」

そういい、エリザベートとそのマスターはさっさといなくなってしまった。

「…。」

そうして流れる、二度目の嵐の後の沈黙。

「あの…葵様。」
「うん。分かってる。」

恐る恐る話しかける香子。
言いたいことは分かってるよ。ホントに。

「あたし…馬鹿だなぁ。出来もしない事言っちゃった…。」

アイドル対決?
アイドルに1番向かないあたしが出来ることか?それ。
かわいくない愛嬌もない歌もうまくないとアイドルに必要なもの全てが欠落しているあたしに、出来ることか?

「ごめん香子。」
「いいえ、お気になさらず。ある意味極限の選択を強いられたようなものですから…香子も恐らく、葵様と同じように売られた喧嘩は買っていたかと…。」
「そっか…。」

椅子に座り、これからどうしようかと思うとため息が出る。
何?アイドルって何すればいいの?

「ともかく葵様。」
「…?」
「先日、宮本様が図書館内にだんすれっすん用の部屋とぼいすとれーにんぐ用の防音室を増設してくださいました。」
「何してんのアイツ!?」

頼んでもないのに何勝手に増設してるんだろう…。
いや、それよりもあいつ未来予知でも出来るんだろうか?
いくらなんでもタイミングが良すぎる。
にしても…。

「さぁ、夕方の取材までまだ少し時間がございます。どの稽古をなさいましょう?」
「あの…香子さ、」
「はい?」
「なんか…ノリノリじゃない?」

妙に香子が張り切っている。

「いえ…勝つためなら最善を尽くすまで。ですからこの
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