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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
あたしと香子は、幻想を知る
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「私達とアイドル勝負をしなさい!!」
「…は?」

唐突だった。
突然やってきたエリザベートにアイドル勝負を申し込まれる。
それだけでもう何が何だかわけがわからない。

「申し遅れたわね!!全子豚の中ではとっくにご存知!みんなのアイドルことエリザベート=バートリーよ!!」
「マスターの大久保 麻美です。うちのエリちゃんがごめんね。」

…。
なんだ、こいつら。

「と、いうわけでアイドル勝負よ!!」
「いや、というわけでアイドル勝負って言われても…。」
「なぁに?怖気付いたの?じゃあここは大人しくアタシ達に渡してもらおうかしら?まな板。」
「まな板ァ!?」

そんな煽り文句を言われてあたしは思わずムッとしてしまう。
特にまな板。自分の胸見てから人のこと言えるかどうか考えて欲しい。
にしてもここを明け渡す?そんなこと出来るわけない。

「あのね、ここはあたしが見つけた所だし、小さい頃から利用してた図書館なの。思い出とかがいっぱい詰まってんの!」
「へぇ、だから何?」
「渡せないってこと!」

折角夢の1つだった本に囲まれる生活を実現できたんだ。
それにここはあたしと香子の家だし、渡せるわけが無い。

「第一、ここを奪い取ってアンタらは何するつもりなの?」
「当然じゃない。ここをライブハウスに改造して毎晩歌って踊り明かすのよ!」

予想通りといえば予想通りの、エリザベート=バートリーらしい返事が返ってきた。
予想内過ぎて乾いた笑いが漏れる。

「ここがライブをするのに立地的に良くってね…どう?利益は半分あげるからアタシ達に譲ってくれない?」
「いやだ。」

どれだけ金を積まれようがここを譲るつもりは無い。
断固としてここを渡さない事を示すと、エリザベートは

「そう、じゃあまな板。アイドル勝負で勝敗を決しようじゃない。」
「…。」

だからそのアイドル勝負ってなんなんだ。

「近々この辺でゲリラライブをやる予定なのだけれど、そこで私とマスター、そしてまな板と紫式部でライブを披露するの!どう?フェアな勝負でしょう?」
「どうって…。」
「エリちゃんがどうしてもって聞かなくって…だったらここは正々堂々と勝負して決めようってことになったんだ。」

アイドル対決とはどういうものなのだろうか。
歌?踊り?どちらにしてもあたしは苦手なものだ。
それにアイドルとしての勝負なんて圧倒的にあちらの得意分野じゃないか。マスターは正々堂々とか言っているがこんな理不尽なルールに正々堂々もクソもない。
あたしたちには不利すぎる勝負をふっかけておいてフェアなんてよく言える。
でも、待って欲しい。

「葵様…。」
「勝てば…手を引いてくれんの?」

あっちの得意分野なら、そこ
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