一海の秘めた思い
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陽師の一部の能力を奪って、意識不明の重傷を負わせちまったんだ。そしてこの様だ。他の陰陽師に狙われる羽目になっちまったんだよ。『裏切り者』ってな」
龍華「………救ったことに後悔でもしてんのか?」
貴利矢「後悔してねぇって言えば嘘になっちまうが、その妖狐の大事な家族を奪っちまったからな。もし再会できたら……土下座してでも謝りてぇんだ」
星空の天井を見上げ、たそがれるように言った。
遠呂智「………そうか。ところであんた、酒飲めるか?」
貴利矢「酒?飲めなくはないが、カフェにそんなのねぇだろ?」
すると遠呂智はニヤリと口元を歪めて笑い、ある飲み物の名を口に出した。
遠呂智「ところがあるんだよな。『裏メニュー』のひとつ『カルーア』ってカクテルがあってな」
龍華「は!?カクテル!?おいマスター!?どこで買ってきたんだよ!?つーか裏メニューなんて聞いてねぇぞ!」
遠呂智「通販で興味本位で買ったんだ。コーヒー豆も使ってるって聞いたしな。言っとくが飲んでねぇからな?天文学者になれなかった時のためにバーテンダーも視野に入れてんだよ」
貴利矢「お前カクテル作れるのか!?」
遠呂智「まだだ。卒業したら勉強するつもりだ。昼間はカフェ、深夜はバーっていうのもありかもな。宇宙空間の中で酒を飲めるなんて、贅沢だと思わねぇか?」
龍華「あんたなぁ………」
貴利矢「んじゃあ、そのカルーアっちゅうカクテル飲んでみるとするかね」
遠呂智「毎度。念のため薄めにしておくぜ」
呆れた顔をする龍華をよそに、遠呂智は早速カルーアを作る準備をする。
龍華「……マスター、念のため聞くけどさ……まさか裏メニューって全部酒関連とかじゃねぇだろうな?」
遠呂智「さすがにそれはない。今んトコこれと………チャレンジ精神を持ってる奴限定に『俺特製のダークマター』も出してるんだ」
龍華「あれ出してんの!?」
遠呂智「何でもゲテモノ好きの狂った常連客がいてな。どこでその情報を知ったか知らねぇが、それを注文しやがったんだ。しょうがねぇから作って食わせてやったら、あいつ何て言ったと思う?美味い美味いって言いながら何度もおかわりしやがったんだよ」
貴利矢「や、ヤベェ……で、そいつどうなったんだ?」
遠呂智「満足するまで食らい尽くして金払って帰りやがった。正直俺、生涯初めてのトラウマになっちまったよ。ぶっちゃけ金払わんでもよかったんだが………」
遠呂智の話が終わった頃、彼の目には光がなかった。
龍華「どんな客だよ!?そいつもう化け物じゃねぇか!!」
貴利矢「てか、そいつ自体人外なんじゃねぇのか!?」
龍華と貴利矢の大声はEVOLUTION SPACEの
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