体育館と音楽室にて
[2/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
触手も一斉に宇佐間に襲いかかり、目に見えないほどの速さで次々と殴っていく。
無亞自身も足がふらつく宇佐間の前に立ち、背中の触手でアッパーカットを決めた。天井に殴り飛ばされた宇佐間の頭が刺さった。
大狼「……………」ポカーン
大狼は天井に刺さった宇佐間に呆然とし、無亞は気絶した一海に声をかけながら揺り起こす。
無亞「カズミン、起きろ。俺が片づけておいたぞ」
一海「う、う〜ん………」
麻由美「………龍華先輩もあんな感じみたいにできるのかな………?」
その後授業が終わるまでの間、宇佐間はずっと天井に刺さったままだった。
仕方なく大狼が代わりに進めたが、途中転んでしまい犬のような声を出しながら涙目になることもあった。
大狼「きゃんっ!くぅ〜ん……」
藤一「この人たちが先生でホンマに大丈夫なんかなぁ…」
小声で呟く藤一であった。
一方音楽室にいる3年の生徒たち。舌寺にジャーマンスープレックスを決めて戻ってきた南原は開いた口が塞がらなかった。
牙狼たちのクラスメイトである3本の尻尾を持つ猫の妖怪がバイオリンで美しい音色を奏でていたのだ。その猫は演奏を終えると、音楽室に牙狼たちと南原による大きな拍手喝采が巻き起こった。
南原「そこの猫のあなた、とても感動したですよ!私がいない間こんな美しい音色を奏でてたなんて素晴らしいですよ!」
遠呂智「ホントにすごかったよな。バイオリンの才能あるんじゃねぇのか?」
猫の妖怪「そ、そんなことないよ………美弥妃ちゃんがバイオリンのきれいな弾き方を教えてくれただけで……」
南原「え?」
美弥妃「それでもすごいよ!教えただけでここまで上手になるなんて、才能あるよ!才能あるよ!」
先ほどまで感動していた南原だったが、美弥妃のおかげと聞いた途端ポカンとした。猫が上手く弾けたのは美弥妃が教えてくれたこと。
美弥妃さんが教えてくれた?南原は意味がわからず、そう思いながら混乱する。ジャックが言っていた『留年111年目の残年生』の通り、テストはいつも全教科0点。卒業できないでずっと異生神妖魔学園にいることはすでに知っていた。そんな彼女が猫にバイオリンの弾き方を教えてくれるとは聞いたこともなかった。もちろん他の教師も知らない。
そんな彼女のおかげでバイオリンを弾けるなんて考えられなかったが、あることを思い出していた。
南原(そういえば美弥妃さんほどじゃなかったけど、前に点数が低かった生徒がいた………でも次のテストで急に点数が上がって90点以上も取った。カンニングした様子も不自然な動きもなかったのにあの点数………一体どんな勉強であの点数取れたのか全くわかんないですよ)
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ