第二百十一話 全軍集結その九
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「敵はもっとな」
「地の利をね」
「わかっているな」
「そう、だから」
それでというのだ。
「敵は僕達以上にね」
「水路を使ってくるな」
「水路の向こうに弓兵とか銃兵とか置いて」
「そうして戦うとな」
「大砲も術も同じだよ」
弓や銃と、というのだ。
「そうしたものを構えて」
「水路を渡ろうとする俺達を迎え撃つな」
「トーチカはこの世界にはまだないけれど」
コンクリートで築いたものはというのだ。
「それでもね」
「ああした感じで防いでくるな」
「そうしてくるからね」
それ故にというのだ。
「あと船もね」
「俺達が話しているみたいにか」
「使ってくるかも知れないし」
「地の利は敵の領土だからな」
「もうあっちの方yがわかっているから」
このことは充分に考えられるからだというのだ。
「そうしたこともね」
「読んでいくか」
「そうしていこうね」
「それじゃあな」
久志は剛に考える顔で答えた、そして。
戦場になると思われる場所を詳しく描いた地図を持って来させてその地理を見てそのうえで言うのだった。
「そうだな、やっぱりな」
「水路が複雑ですね」
源三が応えた。
「予想通り」
「ああ、迷路みたいだな」
久志はその水路をこう評した。
「これは」
「狭い水路がです」
「本当に入り組んでいるな」
「まさに迷路ですね」
源三もこう言った。
「これは」
「ああ、これはな」
「水路をどう使うかがですね」
「分かれ目だな」
「勝つか負けるか」
「勝つにしてもな」
久志はさらに言った。
「やっぱり戦うなら勝たないとな」
「そして勝つなら」
「大勝利でいきたいな」
「損害も出ないので」
「尚更な」
まさにというのだ。
「大勝利でいきたいな」
「そうですね、そして」
「そうなる為にはな」
「この度は水路をどう使うか」
「そういうことだな」
「はい」
まさにとだ、源三は答えた。
「この度は」
「本当にそうだな」
「ですから」
「水路は船それも小さいもので」
「行き来してな」
「戦いましょう」
久志に述べた。
「この度は」
「水路を巧みに移動してな」
「はい、水路があろうとも」
「それを障害物にせずにな」
「利用するのです」
「そうだな、しかしな」
ここでだ、久志は源三にこうも言った。
「敵も水路を使ってな、帝国軍を奇襲したりとかな」
「しますね」
「やっぱり地の利はあっちにあるからな」
敵特に騎士団側にというのだ。
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