死神と妖精と眠れる少年
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です。座ってる子をよく見なさいな」
ローブを引っ張った粘土細工以外の3体はすでに目を覚ましており、玉座の下敷きになったトカゲは手当てを受けていた。
そのうち1体が最初から所持しているであろうスケッチブックに何か書いている。書き終わると、自分たちの前に来てほしいと言うように手を動かして促す。
死纏さん「今気づいたけど、あの寝てる奴背中に触手生えてんじゃねぇか…まあ、敵じゃなさそうだったし、行ってみるとするかね」
粘土細工の筆談によると、常に玉座に座って眠っている少年の名は『浅井冬睡』、粘土細工とトカゲは青の言っていた通り彼の従者らしい。トカゲは浅井が座っている玉座を運ぶ足役。4体の粘土細工は子守、筆談及び感情表現、他の2体は生活補助を担当している。
常にまぶたを閉じているので浅井の目の色はわからないが、宇宙から落ちてきたため、アルケーが言うに「きっと宇宙のように神秘的に煌めいているんでしょうね」とのこと。一方で浅井が敵ではないと知った妖精たちはすでに安心していた。
死纏さん「食事とかどうしてるんだ?いつもお前らが食わせてるのか?」
筆談役は再びスケッチブックに言葉を表す。五感が機能している者もおり、食事は生活補助役が食べさせているのでなんとか大丈夫とのこと。
だが彼らは年中無休。1日中浅井の世話をしなければならないので、休息できる時間がほとんどないんだとか。いや、できるといえば疲れた体を癒すためにコーヒーを飲むことぐらいである。給料や休日をくれと言いたいが、彼らはアルケーや死纏さんみたくしゃべれないので苦情のくの字も出ない。
だが従者たちが死ねば浅井も生活できないので、彼の目が覚めるまで必死に世話を務めなければならない。例え体調不良でも、ケガをしていても。眠り続ける浅井を支えられるのは彼らしかいないのだ。
死纏さん「何だそのブラックすぎる仕事。寝るだけで生きられるとかその時点でスゲェよ」
アルケー「フフ…浅井冬睡さんでしたっけ?あなた、見たところ転校生のようですね?」
浅井「……スゥー」
微笑みながら浅井に聞くアルケーに筆談役は慌ててスケッチブックに言葉を書く。
【なぜわかった?】
アルケー「私の勘がそう言ってるんですよ♪」
浅井「む……んん……」
【そうです、私が異生神妖魔学園に転校することになった浅井冬睡です】
死纏さん(俺たちの言葉は通じるのか……てかその時点でおかしくね?普通声かけられたら起きるだろ)
【浅井様に言葉は通じても決して目を覚ましません】
死纏さん(こいつさりげなく心読みやがった!?)
一方、アルケーたちの会話を聞いていた妖精たちは。
緑「僕たちの存在………」
灰「すっ
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