武道館での模擬戦
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1対1の勝負ができるなぁ………?」
それを言うなら損して得取れだろう。司の顔はもはや別人のように歪み、同時に狂気的な笑みが表に出ていた。
ラインハルト(こいつは調子に乗りすぎて後で痛い目に遭うことを知らぬのか?まあいい、もし泣かせた上にさらに追い討ちをかけるような真似をした場合、私が直々に相手をしてやるとするか………)
司の別人のような顔を見た一海はもはや泣きそうな顔になっていた。
一海「は、離し…て………」
司「あ?」
一海「離してよ!!」
グワキィィン!!
司「ガアアアアアアアア!!?」
龍華「カズミン!?」
恐怖に耐えきれなくなった一海が司の股間を蹴っていた。
同じ頃、壁から抜け出した龍華がその光景を見てしまった。あの時と同じだ。自分の兄貴的な存在の龍哉が宇佐間の股間を蹴る光景が、今自分が見た目の前の光景と完全に一致している。
よほど怖かったのか、飽き足りないのか、一海は司に追い討ちをかけるように股間を何度も蹴っていた。
一海「これでもか!!これでもか!!」
司「ごわっ!!ギャイン!!」
剛力「藤井!ストップストップ!竜宮寺の股間蹴りすぎだ!」
剛力が一海を止めようとする中、真っ先に駆けつけたのは龍華だった。
急に現れた龍華に何が起こったのかわからないような表情をする剛力には気づかず、そのまま一海を羽交い締めにする。
龍華「よせカズミン!司のライフが0から振り切ってマイナスになっちまう!」
一海「だって…だってぇぇぇぇ!!」
だって怖かったんだもんと言いたいが、途中涙で言葉が詰まってしまい、その上一向に司の股間を蹴るのをやめない。
それを無言で見ていたラインハルト。何も言わぬまま武道の授業が終わった時同様上着のボタンを外し、めくる。下のTシャツに書かれていた言葉は―――――
【誰か止めてやってくれ】
剛力「ラインハルト先生!?藤井はラインハルト先生の弟子でしょ!?」
ラインハルトは無言で再び上着をめくる。
【どう止めろと?】
上着の中のTシャツがいつの間にか別の言葉が書かれたものに変わっていた。
剛力「いつの間にTシャツ変えたんですか!?」
【さっきです】
剛力(この人ひょっとして自覚ないのか!?もしそうならさっきみたいなTシャツ着て出かけているのを想像したら…………………ダメだ、考えたくねぇ!!想像しただけで寒気がしてきたァァァァァァァァァ!!)
司「ぐぎゃああああああ!!」
龍華「カズミンンンン!!マジでヤメルルォォォォ!!」
ようやく止まった頃には一海は龍華に抱きつきながら泣きじゃくり、
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