第百四話 あかり、闇を感じるのことその十
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その鬼達のだ。声が聞こえてきた。
「おい、食べ終わったか?」
「では修業の再開です」
「げっ、もう来たのかよ」
「旦那達食べるの早過ぎでやんすよ」
チャンとチョイはその声を聞いただけでぎくりとした顔になる。
それでだ。こんなことを言うのだった。
「それこそよ。今からな」
「また地獄でやんすよ」
「しかし。本当にその地獄って終わらないんだな」
十三がその二人に対して言う。
「永遠のものか」
「そうだよ。旦那達もそう言ってるしな」
「この世界でも同じでやんすよ」
「世界が変わってもそれでもな」
「あっし等の運命は変わらないでやんすよ」
「それを考えるとな」
どうかとだ。十三は言った。
「山崎も可哀想か?」
「そやけどあいつはあまりも悪事がタチ悪いからな」
あかりが指摘するのはこのことだった。
「そやからしゃあないやろ」
「そうなるか?」
「因果応報や」
ここであかりが言うのはこのことだった。
「悪事には絶対に報いがあるんや」
「だからこの二人もか」
「それでも幾ら何でも酷過ぎるだろ」
「あんまりでやんすよ」
当事者達からしてみればそうだった。
「もうよ。俺達なんてよ」
「地獄から出られないんでやんすよ」
「俺達人なんて殺してねえよ」
「そこまでしないでやんすよ」
「それであそこまでかいな」
その凄さにだ。あかりも呆然となる。
それでだ。こう言うのだった。
「やり過ぎや思うけれどな」
「けれどアースクェイクや幻庵になると」
ミナは二人について話す。
「仕方ないところもあるけれど」
「まあなあ。あの二人はな」
「尋常じゃない危険さがあるでやんすから」
「結構お笑いなんだけれどな」
「それでもあれは」
仕方ないというのだ。チャンとチョイから見ても。
そうした話をしながらだ。二人は。
肩を落としてキムとジョンのところに行く。そうしてだった。
「遅いぞ!」
「でははじめましょう」
こうだ。その二人に言われてから地獄の中に入るのだった。
そんな彼等を見てだ。またナコルルが話す。
「やっぱり。物凄いですね」
「よくあれで死なんもんや」
「全くね」
そうだとだ。あかりとミナも続く。今は都もだ。不穏なものが見られだしていた。
第百四話 完
2011・8・16
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