停電中の奇怪な出来事
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。まるで人が暴れているような音だ。
一海「………洗面所の方から聞こえたよね?」
紺子「……ホントにお前じゃない?」
一海「違うよ!」
紺子「まさか……………泥棒か?」
一海「不吉なこと言わないでよ………」
2人は警戒しながら足音を立てないようにそっと歩き、音がした洗面所へ向かう。もし本当に泥棒なら、暴行されているか殺されているだろう。
恐る恐る顔を覗いてみると、そこにいたのは………。
紺子「…………………」
一海「…………………」
言葉を失った。物音を立てた正体が意外な人物だったからだ。
辰蛇「あ…………」
荒らされた洗面所にいたのは、紺子と一海のパンツの匂いを嗅ぐボロボロになった辰蛇だったのだ。
辰蛇「……………パンツ、いただき―――――」
それは一瞬の出来事だった。言葉が終わらないうちに紺子の鉄拳が恐ろしいほどの勢いで辰蛇の顔面をとらえていた。
辰蛇「バベラッ!?」
殴られた辰蛇は壁に激突し、崩れ落ちる。
辰蛇「ち、ちょっと紺子ちゃん!?私の顔見るなりいきなり顔面パンチって……!」
紺子「私と話すよりカズミンと話した方がいいんじゃねぇのか?」
辰蛇「…あえ!?か、一海ちゃん……顔は笑ってるけど目が笑ってない!!」
微笑みながら死んだよう目で見つめる一海には殺意まで感じられる。
この場にいたら殺されると恐怖を感じた辰蛇はこう言い放った。
辰蛇「こ、こうなった学園に代々伝わりし奥義…………逃〜げるんだよ〜!!」
隙を突いて逃げようとした。
だがそれはあまりにも無駄なこと。以前紺子を拘束したように、一海は尻尾で辰蛇を捕まえ、縛り上げた。
辰蛇「ひゃいっ!?」
一海「……………」ゴゴゴゴゴ
一海は辰蛇を縛ったまま無言で外に出る。紺子も後を追って外に出た。
相変わらず雨が降り続けていた。
一海「学園長、どこか行きたいトコありますか?」ゴゴゴゴゴ
辰蛇「行くトコなんてどこにもないよ〜!一海ちゃん、お願いだからその顔やめて!?怖すぎるよ!辰蛇泣いちゃう!」
その後の行動は素早かった。辰蛇を空中に放り投げた一海は目にも止まらぬ速さで足蹴にした後、そのままムーンサルトキックを浴びせた。蹴られた辰蛇はどこまでも飛んでいき、雨雲に隠れて見えなくなった。
私たちの学園長だぞ!?雨雲に消えた辰蛇を見た紺子は唖然。一海は何事もなかったかのような表情で雨雲を見つめていた。
紺子「うーわ…さすがに学園長相手に容赦なさすぎだろ…」
一海「出雲姐ちゃん、何か言った?」
紺子「な、何でもないです……」
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