停電中の奇怪な出来事
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煙出てるぅぅ……!」
一海「煙?あっ、これ体にかけたらありがたいんだ」
タンスの前に立った一海は引き出しから出てくる煙を全身にかける。
紺子も一海の真似をしようとしたが、彼女の頭を殴った。
紺子「そんなわけねぇだろ!どうなってやが…痛っ!!」
一海「痛いって何が痛いの?」
紺子「手突っ込んだらビリッてなった!しかも一瞬冷たかったし………あっ!!」
紺子は煙が出ている場所にハンカチを被せ、そこに手を当ててみる。
固い感触があり、ハンカチを被せられた何かは石のようなものをかたどっていた。
紺子「………お前これドライアイスだろ」
一海「あ、バレたか☆」
紺子「『バレたか』じゃねぇよ!声変えたりタンスに入れたりして、そんなに私を怖がらせて楽しいか!?」
一海「だってお化け嫌いな出雲姐ちゃんかわいいんだもん」
紺子「停電だっていうのによくそんなふざけたこと言えるな………てかこれどうやって手に入れたんだよ」
一海「気にしない気にしない。早く食べないと冷めちゃうよ」
紺子(この状態で食えるかよ!)
ドライアイスをシンクに捨てたが、またしても煙が立ち上って気になってしまう。
一海は平気で食事をするが、紺子はすっかり食欲を失い、ハンバーグを見つめていた。
紺子「…………!?」
突然、目が大きく見開かれた。まばたきをした瞬間、ハンバーグから溢れていた肉汁が真っ赤な血に変わっていた。
紺子「ふぁあああああっ!!」
紺子は驚きのあまり椅子ごと転倒してしまった。
椅子から離れると、しゃがみ込んで背中を丸め、頭を抱えて震える。
転倒した紺子を見た一海も立ち上がり、紺子に近づく。
紺子「血……血……血がぁぁ!」
一海「血なんて出てないよ。ケチャップと見間違えた?」
紺子「カズミン…!」
恐る恐る顔を上げる紺子。しかし追い打ちをかけられるように、顔がさらに恐怖に歪んだ。
一海「出雲姐ちゃん、怖がりすぎだよ」
紺子「うっ、わあああああああ!!」
目の前にいた一海は目も鼻も口もないツルツルの顔。そう、今目の前にいるのは一海ではなく、一海の姿をしたのっぺらぼうだった。
紺子「のっぺらぼう!のっぺらぼう〜〜!」
一海「大丈夫〜?出雲姐ちゃ〜ん」
のっぺらぼうは心配そうに優しい声をかけるが、紺子にとってはもう恐怖の連続で泣きそうになっていた。
いや、もう泣き出している。紺子はのっぺらぼうが視界に入らないようしゃがんで頭を抱え、泣きながら必死に懇願した。
紺子「もう嫌だお願いします助けてください夢なら覚めてください…!」
一海「ねえねえ」
紺子
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