第六十五話 心配していてその九
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「いいわね、それでね」
「この人ともですか」
「絶対にりっぷくしないで」
このことを強く言いました。
「最後までお話を聞いてね」
「聞けばいいんですね」
「絶対にりっぷくしないことが条件よ」
このことを言い加えました。
「いいわね」
「難しいですね」
「難しくないでしょ」
「こうした人に対してはかなり」
「だからどうして先輩にそこまで言うのよ」
もういい加減私もりっぷくしてきました。
「阿波野君先輩とちょっと会っただけじゃない」
「そうですけれどお話聞きましたから」
「だからだっていうの」
「はい、僕この人嫌いです」
もうこの気持ちを隠しません、先輩は俯いたままで何も言われません。
「何があっても」
「その嫌いな相手への全否定を止めなさい、先輩がどんな人かあまり知らなくて言ってるでしょ」「それでもですよ」
「先輩は嫌いっていうのね」
「好きになれる要素ないですから、ただ」
それでもとです、阿波野君はここで口調を変えて私にこう言いました。
「お話は聞かせてもらいます」
「絶対に席は立たないのね」
「この人が逃げなかったら」
「いい加減にしないと本気でりっぷくするわよ」
もう私もそうなってきて注意しました。
「いいわね、もうね」
「ちゃんとですか」
「先輩のお話聞きなさい」
「そうさせてもらいます」
「そうよ、本当に私と先輩だと態度違うわね」
阿波野君の癖性分があらためてわかりました、本当に嫌いな相手には徹底的に嫌いな感情を見せる子だということがです。
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