第百四話 あかり、闇を感じるのことその七
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「それが問題だな」
「そうだな。ただな」
「ただ?」
「ああ。ガルフォードはもう行ったよな」
忍者である彼の話をするのだった。
「都に伝えにな」
「もう行っただろう」
クラークもだ。白装束の者の一人を。
捕まえだ。そうしてだ。
フランケンシュタイナーで吹き飛ばす。そうしながらだ。ラルフに返す。
「だからな」
「助っ人を待つか」
「粘りに粘ってな」
こんな話をしながらだ。彼等は戦っていた。その都では。
あかりとミナがだ。南西の方を見てだ。
そうしてだ。不吉な顔で話すのだった。
「感じるやろ」
「ええ、感じるわ」
その通りだとだ。ミナも答える。
「しかも南西だけではなく」
「南東からもやな」
そこからもだ。感じるというのだ。
「何ちゅうかな」
「邪悪そのものね」
「しかも強さが桁外れや」
「それと北ね」
そこからも感じるというのだ。
「北からも感じるわ」
「北っていうたらや」
そこに何がいるのか。これについては。
ナコルルもいた。その彼女の言葉だ。
「匈奴だったわよね。この国の北にいるのは」
「そうよ。北の異民族よ」
ミナがその匈奴について話す。
「馬に乗るね」
「その騎馬民族の地といえば」
「話あったなあ」
あかりは眉を顰めさせながら二人に話す。
「あそこに朧っちゅうのがおった筈や」
「朧といえば」
「確か」
ミナとナコルルがここで話す。
「命と一緒に裏天京にいて」
「暗躍していた」
「そいるや。そいつがおった」
そのだ。匈奴の地にだ。
「やっぱり何かあるわな」
「そう考えるのが普通ね」
ミナはあかりにぽつりと話した。
「じゃあ南西だけではなく」
「南東と北も」
ミナだけでなくナコルルも言う。
「三方に問題があるのね」
「しかも北が一番力が強いわ」
感じられるだ。その力がだというのだ。
「あそこで何があるんやろうな」
「シーサーを送っても」
「私も。ママハハを送ったことがあったけれど」
北への偵察はだ。既にしていたというのだ。
「けれど。何も」
「見えなかったそうだけれど」
「うちもや。式神を送ってもや」
どうなったかというと。
「全然わからん。何がどうなっとるんや」
「深い霧がかかっていて」
「何も見えないそうだから」
「その霧が問題やな」
それはわかるというのだ。
「ほんまな。何があるんやろな」
「それが問題ね」
「北は」
そのだ。北についての謎もわからなくなってきていた。
そうしてだ。あかりはだ。今度はこう言うのだった。
「で、南西や」
「あそこね」
「定軍山の」
「すぐに話が来るで」
南西への空を見つつだ。二人に言うのである。
「秋蘭さん達のな」
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