剛力VSトイレの花子
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を感じ取るまでそれほど時間はかからなかった。
個室の前に立ち、戸を思い切り蹴破る。
遠呂智「ヘヘヘ…いたぜいたぜぇ…」
龍華「こ、こいつが……」
ワコ「トイレの花子さん………」
いたずらそうに笑う遠呂智の目の前にいたのは白いワイシャツに赤いスカートを着用している、透明感のある長めのおかっぱがかわいらしい少女だった。
雪のように白い肌と冬の空のように澄んだ瞳が印象的な、どこか儚げな魅力のある美少女である。
トイレの花子?「ホントは『花子さん』じゃないんだ……私は雪村麻由美、これが私の名前………」
剛力「学園中で噂になっていたが、お前、生前人間だったそうだな。この学園がまだ人間が通ってた頃、授業中下痢を漏らし、それからひどいいじめに遭い、耐えられなくなったお前は大量の下剤を飲んで自殺した。最近ひどい腹痛を起こす生徒がいるからもしやと思っていたが、雪村麻由美。やっぱりお前だったとは……」
龍華「俺もやられたよ」
ワコ「ワコも…3番目の個室怖かったからいつも1番目の個室に入ってたけどね」
遠呂智「前々から気になってたさ。俺はならなかったけどな」
龍華「運よすぎかよ!!」
ワコ「どうにかならないんですか!?」
剛力「俺に任せてくれ。おい、質問したいことがある。生徒たちに腹痛を起こさせたのはお前か?」
尋ねられた花子こと麻由美はこう答えた。
麻由美「そうよ……あなたたちにわかる……?私の苦しみを!下剤飲めって言われて、お腹壊して、トイレに駆け込んで、お漏らしして!腸がメチャクチャになってて、胃に穴が空いてて…………あなたたちにも味わってもらうわ!コーラック10粒分の痛みを!!」
剛力「笑止ッ!!!」
麻由美「!!?」
呪いをかけようとした麻由美だが、剛力の一喝に怖じ気づいた。
剛力「たった10粒分など生ぬるい!!いや、むしろ器が小さい!!人を恨むのはわかるが、本格的に恨んだことはないのか!!俺にアドバイスできることといえばそうだな……10箱分だ!それぐらい恨め!!1人でいつまでも背負い続けやがって!」
龍華(先生どっちの味方なんだよ!?)
沈黙が続いたかと思うと、やがて麻由美が涙目になり、口を開いた。
麻由美「………私………ホントは人を殺したいなんて思ってなかった…………誰かを苦しませて苦しませて、私の苦しみを知ってもらいたかっただけだったの…………………」
剛力「そうか…でも大丈夫だ。俺たちという存在があるからこそ、もう苦しむ必要はない」
麻由美「先生………」
麻由美の目から涙が溢れ、それを止めることはできなかった。
泣きながら剛力に抱きつき、声を抑えるようにして泣いた。
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