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遊戯王BV〜摩天楼の四方山話〜
ターン40 幕開け、あるいは幕引き
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は聞く耳を持たないだろうということも。ちょうど彼女自身が13年前のあの日、マネージャーの忠告に耳を貸さなかった時のように。

「やれ、ダーク・リベリオン!グランドマンに攻撃しろ!」

 漆黒の龍が超低空を滑空し、死神のそれを思わせる黒翼をもって英雄に飛び掛かる。ダーク・リベリオンがモンスターとバトルを行うダメージ計算前、その身に宿るオーバーレイ・ユニット1つを使用することで相手モンスターの攻撃力を0にしたうえでその元々の数値を自身の攻撃力に加算することができる。グランドマンの攻撃力は自身の効果によって発生したものであるためいくら0にしたところで吸収は不可能だが、彼のフィールドにはまだビッグ・スターとデビル・ヒールが依然として控えている。たかだが4000程度のライフなど、紙切れか何かのように吹き飛ぶ数値だ。

「ま、当然通らないんだがね。ひひっ。私相手に2枚も引かせたんだ、当然だろう?手札から工作列車シグナル・レッドの効果を発動。相手の攻撃宣言時にこのカードを特殊召喚し、さらにその攻撃モンスターとこいつで強制的にダメージ計算を行わせるよ」

 漆黒の巨竜の前に、突如として赤いランプを点滅させる小型車両が割り込んだ。主の怒りに任せて突き進んでいたダーク・リベリオンはもはや止まるには勢いがつきすぎており、鋭い逆鱗がバチバチと放電しながらその車両を深々と貫く。
 ……そして、グランドマンにはその一撃が届かない。

 覇王黒龍ダーク・リベリオン 攻2500→工作列車シグナル・レッド 守1300

「そしてシグナル・レッドは、自身の効果によって行う戦闘では破壊されない」
「だったら!デビル・ヒールはイゾルデに、ビッグ・スターはシグナル・レッドを叩き潰せ!」

 座長の命に従い、2人の大型団員が一斉に飛び掛かる。先に攻撃目標へとたどり着いたのは、その巨体の分だけ一歩ごとのリーチも長いデビル・ヒールだった。

 魔界劇団−デビル・ヒール 攻3000→聖騎士の追想 イゾルデ 攻1600(破壊)
 七宝寺 LP4000→2600

 紫の剛腕が唸りを込めて振りぬかれ、金髪と銀の手、2人のイゾルデがなすすべなくまとめて片手で持ち上げられて投げ飛ばされる。力こぶを作るデビル・ヒールの手の中には、いつの間にやら一冊の本が握られていた。

「デビル・ヒールが戦闘でモンスターを破壊した時、俺の墓地から魔界台本1冊を選んでフィールドにセットすることができる。さっき使ったオープニング・セレモニーを、もう1度セットだ」

 次いで、ビッグ・スターがその長身からスタイリッシュな回転飛び蹴りをシグナル・レッドの車体に大きく空いた穴、先ほどダーク・リベリオンが深々と刻んだ傷跡へと叩きこむ。先のバトルこそ辛うじて持ちこたえた工作列車も、この追撃にまでは
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