ターン40 幕開け、あるいは幕引き
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そもそも特殊召喚自体が行われず、他の団員が出たとしてもドローが可能。どちらに転ぶのを狙うかは微妙なところだが、そんなことはおくびにも出さずデッキトップからカードを引き抜いた。
「『それでは気を取り直しまして1枚目……あーっと、出た、出ました!意外や意外予想外、なんとデッキトップでは、すでに出番を今か今かと待ちわびていた演者がスタンバイしておりました!それではその名を高らかに呼びましょう、彼の持つレベルは4!ステージの上に登場です、魔界劇団カーテン・ライザー!』」
魔界劇団カーテン・ライザー 攻1100
オレンジと黄色を基調としたパラソルに手足が生えたかのような団員が、既に存在する3体の横に並んで召喚される。スポットライトに照らされて大きく傘を広げるカーテン・ライザーだが、その裏で七宝寺がカードを引くのは見逃してはいなかった。
「『そしていよいよ我らが座長、ビッグ・スターの効果を発動!デッキよりこのターンに行われる演目の魔界台本を、このターンもまたフィールドへと直接セットします……それでは皆様ご一緒に!当劇団の鉄板演目にして切り札の一幕、地上に降り立つ魔王様御一行による恐怖と混沌の笑いあり、涙ありの物語!その名は……魔界台本「魔王の降臨」!』」
ならば、これ以上手札を増強させることは避けたいところ。そして幸いにも、今の彼の場には十分なだけの戦力が揃っている。ビッグ・スターの掲げた手の中に周囲から黒い光の粒子が集まり、それが1冊の仰々しい台本となった。魔界劇団のシンボルマークが刻まれたそれに、舞台の花形がいざページをめくるべくゆっくりと表紙に手をかける。
魔界台本「魔王の降臨」……もはや説明不要ですらある切り札中の切り札、魔界劇団の真骨頂。攻撃表示で存在する魔界劇団の数だけ表側のカードを破壊するその効果は対象を取りこそするものの、レベル7以上の団員であるビッグ・スターが存在することによりその追加効果……発動に対して一切のチェーンが封じられる能力が生きる。
「今のフィールドに攻撃表示の魔界劇団は4体、そしてビッグ・スターの効果に同名ターン1の縛りは存在しない。仮にこの伏せカードで私がそれを凌いだとしても、私がドローすることにさえ目をつぶればビッグ・スターを素材に適当なモンスターをリンク召喚してから、改めてペンデュラム召喚による展開を行うことでもう1度魔王の降臨をフィールドにセットするところからやり直そうというわけか。このターンにメロー・マドンナのペンデュラム効果を使っていないのも、それを行うと魔界劇団以外の召喚が封じられてしまうから。このわずかな時間でそこまで考えるとは……なるほど、伊達じゃない」
グランドマン、そしてイゾルデ。いずれも耐性を持たないモンスターばかりを従える七宝寺にとって、それを指を咥えてただ見
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