金髪は最高です!
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と言った。
「私と紗夜さんが、どこで出会ったか覚えてる?」
「……!」
紗夜が目を大きく見開く。やがて、震えながら、その名称を口にした。
「……ムー大陸……」
「あそこだって、信じられない場所だよね? でも、私達はそこに行った。経験した。……っ」
可奈美は一呼吸入れる。
「だから、お願い。話して。何があったのか」
すると、紗夜は一気にコーヒーを飲み干す。
砂糖もミルクも入れていないそれを一口で平らげ、咳き込みながら、紗夜は重い口を開いた。
そして、十分後。
ほんの一、二時間前学校で起こった、アヴェンジャーのサーヴァントによる襲撃が、紗夜から語られた。
「ココアちゃんが変身……それに、新しい参加者……かあ……」
紗夜から話のあらましを聞いて、可奈美は机に突っ伏した。
「正直、それってココアちゃんが参加者ってこと……? ココアちゃんが参戦派ってことは考えにくいけど、巻き込みたくなかったなあ……」
「衛藤さん?」
「紗夜さん……その……」
可奈美は、口を動かすのをためらう。だが、彼女の右手___傷もなさそうなのに、包帯で厳重にまかれた手首を見て、告げた。
「紗夜さん」
「はい?」
「これから話すことは、きっと紗夜さんにも関係あること」
可奈美は、言葉を一つ一つ噛み潰すように紡いでいく。
「そして、知ったら多分、もう後戻りできないこと」
「……どうして私がそんな重い話を聞かないといけないんですか?」
紗夜の問いに対し、 可奈美は、右手のストッキングを外す。見事に同じ肌色で隠したそこには、黒い花びらの___ただし、三分の一は欠けている___刺青のようなものがあった。
「紗夜さんのその手の包帯、下に黒いあざが出来ていませんか? こんなふうに」
「……ッ!」
それを見て、紗夜もまた包帯を外す。真っ白な美しい肌に、黒い紋章が塗りたくられていた。
「紗夜さん。こうなった以上、多分もう黙っているわけにはいかない。それに、多分紗夜さんが今日襲われたのも、多分これが原因です」
「こんなもののために、私は襲われたっていうの?」
「そう。……その前に、前回は説明できなかったけど、どうして紗夜さんがムー大陸にいたか、説明します」
可奈美の言葉に、紗夜は首を曲げた。
可奈美は続ける。
「今、見滝原で立て続けに変なことが起こっているのは知っていますよね?」
紗夜は頷いた。
「はい。中学校が謎の空間になったり、病院が食人怪人の巣になったり……」
「全部……聖杯戦争っていう、戦いの結果なんです」
「聖杯戦争?」
紗夜が大きく目を見開く。
可奈美はそれでも、腕の紋章を見せながら、重い口を続けた。
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