金髪は最高です!
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か……」
「……」
可奈美はしばらく紗夜を見つめる。やがて、ひたすらにココアへ叫ぶ三人に「落ち着いて」と制する。
「見せて。……これは……」
可奈美は、ココアの袖をまくり上げる。すると、腕に大きな包帯が巻かれていた。
「何があったの!?」
「……応急処置はしました」
紗夜が腕を組みながら言う。
「……私にも、詳しくは分かりません……」
紗夜は可奈美の顔を見ながら、戸惑っているようだった。
可奈美はしばらく彼女を見つめ、「もしかして」と千夜たちを見る。
どうやら青山さんには、医療の知識があるようで、隣のテーブル席にココアを寝かせ、彼女の容態を見ているようだった。
千夜、忍、アリスもそちらに気を取られて、こちらのことは見ていない。
「紗夜さん、もしかして……」
紗夜の右手……包帯で巻かれている部分に、否応なく目が行ってしまう。
以前、古代の大陸が復活したことがあった。その時、聖杯戦争の舞台もまた前人未到の移動したのだ。
その時の彼女は、明らかに聖杯戦争というサバイバルゲームに参加している意識はなかった。だが、それは彼女自身の目線の話。
他の参加者___仮に、あの年末で目を付けた参加者がいれば、襲われてもおかしくない。
「ごめんなさい。私も、何て説明すればいいか分からなくて」
紗夜は頭を抱えた。
「幸い保健室は開いていたから、ある程度の応急処置はしたんです。でも、先生もいらっしゃらなくて、保登さんの滞在先が喫茶店なのは知っていたから、何かないかと思って連れてきましたけど……衛藤さんがいるとは思いませんでした」
「私だって、こんなに早く紗夜さんと会えるなんて思わなかったけど。青山さん、どうですか?」
「……大丈夫です」
青山さんは顔を上げた。
「出血も止まっていますし、しばらく寝かせていれば、きっと大丈夫ですよ。むしろ、先日のハルトさんのお腹の方が問題でした」
「そうですか……よかった」
千夜が安心したように椅子にどっかと座る。忍とアリスも安堵の表情を浮かべていた。
ただ一人。
紗夜だけは、最初からずっと暗い顔のままだった。
青山さんや千夜たちは帰宅した。
ココアを部屋に寝かせた後、可奈美は紗夜をカウンター席に座らせた。
「紗夜さん、何があったの?」
だが、紗夜は何も答えなかった。
作りかけていたアイスコーヒーを紗夜に出し、可奈美はカウンターの内側から紗夜の隣に座る。
「紗夜さん」
「……信じられないのよ……さっき私が見ていたことが……!」
「紗夜さん!」
可奈美は、紗夜の肩を掴んでこちらに向けさせた。
少し年上の彼女は、動揺したままではあるが、可奈美ははっきり
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