金髪は最高です!
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ヒー頂いても?」
「オッケー。忍ちゃんとアリスちゃんは?」
「私も同じものをお願いします」
アリスの注文を受け付け、可奈美は続いて忍のものを待つ。
だが、忍はじっと可奈美を……正確には、その髪を見上げていた。
「? どうしたの?」
「可奈美ちゃん……一回金髪に染めてみませんか?」
「え?」
「シノ!?」
忍の一言に、アリスが血相を変える。
「そんな必要はないよ! シノの大好きな金髪は、ほら! ここにあるのだから!」
アリスが主張する。すると、忍は躊躇いなくアリスへ抱き着く。
「えへへ……やっぱり、金髪は最高です!」
「あはは……忍ちゃんは、金髪が好きなの?」
「もう大好きです!」
可奈美の問いに即答する忍。それどころか忍は、「いいですか?」と可奈美に顔を寄せてきた。
「金髪は、この世界が編み出した宝なんです! いいですか? 金髪少女の金髪は、その美しさから、世界の文化遺産にもなるべきなんです!」
「え? ぶ、文化遺産?」
「そうです!」
忍が可奈美の左手を掴む。
「だから是非お願いします! 金髪になってください! きっと似合います!」
「あら? 可奈美ちゃんが染めるなら、私も手伝うわ」
なぜか千夜も便乗してくる。
「う〜ん、そのうち、ね? それより、コーヒー淹れてきま〜す」
可奈美は離れて、注文のコーヒーを入れる。
やがて作業中、青山さんが千夜のとなりの席、すなわち彼女たちと同席に座る風景が見えた。
なにやら話が弾みだす。どうやら、青山さんがまた何やら熱中しだしたようだった。
その時。
ちりん。
「いらっしゃいませ」
慣れたもので、呼び鈴がなれば、可奈美は反射的に反応してしまう。
だが、そこに現れた客の姿を見て、可奈美の顔から血の気が引いた。
「ココアちゃん!?」
何時も見慣れているのは、元気に可奈美を妹扱いしてくる保登心愛。
だが今回は、そんな状態のココアではない。顔は青ざめ、全身傷だらけ。特に、右肩からは出血さえしていた。
そして、それを背負った人物。長く綺麗な水色の髪と、すらりと伸びた体格が特徴の少女。だが、彼女の様子も普通じゃない。ココアの血が制服にべっとりと付着しており、白い見滝原高校の制服も様変わりしていしまっていた。
そして彼女もまた、可奈美が見知った顔であった。
「紗夜さん!? 何があったの一体!?」
倒れそうなココアを受け止めながら、可奈美は紗夜へ尋ねる。
さらに、慌てて千夜、忍、アリスもまたココアの身を案じた。
「ココアちゃん!? どうしたの!?」
千夜が悲鳴を上げる。
紗夜は首を振り、
「ごめんなさい。私にも、何があったの
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