提督と艦娘とスイーツと・71
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「その中でも厄介なのが生活習慣病……糖尿病やら高血圧やら、放っておくと重大な疾患に繋がりかねない物だ」
「……………」
アクィラは俯いたまま黙り込んでいる。
「特に肥満は見た目痩せてても内臓脂肪が溜まっている場合もあるから、それが発覚した時には手遅れなんてザラにある話なんだぞ?」
「…………んです」
「ん、何だ?」
アクィラがぼそりとなにかを呟いた。
「全部この鎮守府が悪いんじゃないですか!ご飯も!おやつも!夜のお酒だって!全部全部、美味しすぎるのがいけないんですぅ!」
わあぁぁぁ〜んっ、とテーブルに突っ伏して泣き叫び始めるアクィラ。俺もその態度に黙り込んでしまった。勿論、呆れてだが。
「いやそこは自重しろよ」
「むりですぅ!」
「なら運動しろや」
「いやですぅ!」
ダメだこりゃ。ローマ他イタリア組の連中に、フリーダムな性格の奴が多いイタリア艦の中でも、アクィラは我が儘……というか、『辛いことはしたくない、楽しいと感じる事だけしていたい』という困ったちゃんだとは事前に聞いていたが、ここまでってのは予想外だ。
「……なら仕方ねぇな。アクィラ」
「ふぇ?」
「お前は解体処分だ」
「え?」
「聞こえなかったのか?お前は解体処分にする。艦娘としての能力を剥奪し、生涯監視付きの生活を送ってもらう」
「な、何でですかっ!?」
「当たり前だろうが。ウチは軍隊だぞ?自己管理も出来ねぇ、このまま行くとその内戦えなくなる兵隊を養う余裕はねぇ」
ウチは他に比べれば規律は弛い方だろう。訓練は厳しいし仕事はキツイが、その分普段の生活の制限は無しに等しい。外出も煙草も酒も、駄目だと言ったことは無い。だが、あくまでもそれは『軍務に影響が出ない場合に限り』だ。出撃前に飲もうとしてる飲兵衛はキチンと叱るし、仕事と私生活は分けろ、が俺の口癖でもある。
「そんなぁ……」
「当たり前だろうが。そういう奴の事を日本じゃ『穀潰し』ってんだ。真面目に働いてる奴の分の飯を、働かずに食う害虫同然の扱いでな」
「が、害虫……」
本当の所、アクィラは仕事をしていない訳ではない。燃費が悪く、航続距離が短いために近海での任務が多いがその分、貴重な航空戦力として重宝すらされている。
「なぁアクィラ、このチーズケーキ美味かったろ?」
「?……は、はい」
「実はな、これ豆腐が入ってて普通のチーズケーキの半分以下のカロリーなんだ」
「えぇっ!?こんなに美味しいのに……」
「なぁアクィラ、3日猶予をやる。その間にどうするか真剣に考えろ。今後も艦娘として生きていくのか否か」
目に涙を浮かべたアクィラの頭を、くしゃり
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