暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Saga30-B遥かに永き旅路の果てへ〜Have a good journey〜
[10/11]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
るのは悲しいし寂しいよ。だけど大丈夫だ。はやてには家族や友人、仲間が大勢居る。一時は寂しくなるだろうが、すぐに思い出となっていくよ。何せ君たちの人生はまだ半分も行っていないからな。やがていつかは俺という存在が、あー居たな〜と思える日がくるはずだ。それはそれで俺も寂しいが、それは自然なことだ。これから先、いろんな出会いがある。楽しい事、嬉しい事があるだろうし、悲しい事、辛い事もあるだろう。その積み重ねが、俺を思い出にしていく」

「そうかもしれへんけど、ルシル君と過ごした十数年はあまりにも濃くて、大切で愛おしい時間やった。思い出になるにはあまりにも長い・・・と思う。その間、ずっと寂しい思いをせなアカン・・・」

「それはほら・・・あー・・・」

「ごめんな。困らせて・・・。私ばかり我がまま言うてごめんな・・・」

涙を袖で拭い去って、ルシル君の手を両手でそっと外して、ルシル君の膝の上に戻した。ルシル君は首を横に振って、「我儘なものか。困ってもいない。再確認できたよ。君たちのことを忘れるものか、とね」と微笑んだ。

「・・・はやて。これまでありがとう。どうか幸せに、元気で」

「っ!・・・ルシル君も、これまでホンマにおおきにな。ルシル君と出会えて、恋をして、好きになって良かったって心から思う。・・・どうかお元気で」

そんで最後に私は、ルシル君の唇にキスをした。唇を離して、閉じてた目を開ける。ほぼ同時にルシル君も目を開けて、『俺もはやてに出会えて幸せだったよ。ありがとう』と、誰にも聞こえへんようにするためか、口頭やなくて思念通話でそう言うてくれた。キュッと胸を締め付けられる。鼻の奥がまたツンとなって泣きそうになるのを必死に耐える。せめて最後は、笑顔でルシル君を見送る。それが私に出来る手向けやと考えて・・・。

「ルシリオン様」

「・・・ああ。頼む」

マリアさんが車椅子の後ろに音もなく現れて、グリップを握った。今度こそルシル君が旅立つとき。私たちは「ルシル君!」「ルシル!」『ルシル!』と名前を呼んだ。ルシル君は力強く頷き返して、左手の親指を立てて見せた。そんなルシル君に「マイスター!」と駆け寄ったのは、ずっと黙って見届けてくれたアイリやった。

「アイリ。・・・すまん! やはり一緒に来てくれ! 俺を・・・助けてくれ!」

「〜〜〜〜〜っ! ヤヴォール!」

涙を流しながら満面の笑顔を浮かべるアイリは本来の30p程の身長に戻って、ルシル君の膝の上に着地した。アイリが一緒ならきっと、ルシル君も大丈夫のはずや。

「ルシル君、アイリ。いってらっしゃい」

私のその挨拶にみんなも「いってらっしゃい!」と手を振り始めてくれて・・・

「「いってきます!」」

ルシル君とアイリも同様に私たちに手を振り返し
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ