暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Saga30-B遥かに永き旅路の果てへ〜Have a good journey〜
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るのは悲しいし寂しいよ。だけど大丈夫だ。はやてには家族や友人、仲間が大勢居る。一時は寂しくなるだろうが、すぐに思い出となっていくよ。何せ君たちの人生はまだ半分も行っていないからな。やがていつかは俺という存在が、あー居たな〜と思える日がくるはずだ。それはそれで俺も寂しいが、それは自然なことだ。これから先、いろんな出会いがある。楽しい事、嬉しい事があるだろうし、悲しい事、辛い事もあるだろう。その積み重ねが、俺を思い出にしていく」
「そうかもしれへんけど、ルシル君と過ごした十数年はあまりにも濃くて、大切で愛おしい時間やった。思い出になるにはあまりにも長い・・・と思う。その間、ずっと寂しい思いをせなアカン・・・」
「それはほら・・・あー・・・」
「ごめんな。困らせて・・・。私ばかり我がまま言うてごめんな・・・」
涙を袖で拭い去って、ルシル君の手を両手でそっと外して、ルシル君の膝の上に戻した。ルシル君は首を横に振って、「我儘なものか。困ってもいない。再確認できたよ。君たちのことを忘れるものか、とね」と微笑んだ。
「・・・はやて。これまでありがとう。どうか幸せに、元気で」
「っ!・・・ルシル君も、これまでホンマにおおきにな。ルシル君と出会えて、恋をして、好きになって良かったって心から思う。・・・どうかお元気で」
そんで最後に私は、ルシル君の唇にキスをした。唇を離して、閉じてた目を開ける。ほぼ同時にルシル君も目を開けて、『俺もはやてに出会えて幸せだったよ。ありがとう』と、誰にも聞こえへんようにするためか、口頭やなくて思念通話でそう言うてくれた。キュッと胸を締め付けられる。鼻の奥がまたツンとなって泣きそうになるのを必死に耐える。せめて最後は、笑顔でルシル君を見送る。それが私に出来る手向けやと考えて・・・。
「ルシリオン様」
「・・・ああ。頼む」
マリアさんが車椅子の後ろに音もなく現れて、グリップを握った。今度こそルシル君が旅立つとき。私たちは「ルシル君!」「ルシル!」『ルシル!』と名前を呼んだ。ルシル君は力強く頷き返して、左手の親指を立てて見せた。そんなルシル君に「マイスター!」と駆け寄ったのは、ずっと黙って見届けてくれたアイリやった。
「アイリ。・・・すまん! やはり一緒に来てくれ! 俺を・・・助けてくれ!」
「〜〜〜〜〜っ! ヤヴォール!」
涙を流しながら満面の笑顔を浮かべるアイリは本来の30p程の身長に戻って、ルシル君の膝の上に着地した。アイリが一緒ならきっと、ルシル君も大丈夫のはずや。
「ルシル君、アイリ。いってらっしゃい」
私のその挨拶にみんなも「いってらっしゃい!」と手を振り始めてくれて・・・
「「いってきます!」」
ルシル君とアイリも同様に私たちに手を振り返し
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