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八条学園騒動記
第六百二十一話 文化祭がない国その六

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「そんな違いはね」
「ないからね」
「それで貴族だから高価な食器使ったり気取ったり」
「馬鹿なことだよ」
「本当にね」
「貴族って何かな」
 菅はこうも言った。
「一体」
「勘違い連中でしょ」
 七海は菅に率直な声で答えた。
「そうでしょ」
「勘違い連中?」
「そう、それでね」
 そうした者達でというのだ。
「勝手に自分達が偉い、何しても許されていて」
「平民を搾取したお金で贅沢して」
「気取ってるね」
「勘違い連中ね」
「そう、それでね」
 そのうえでというのだ。
「変な中二病も患ってる」
「中二病もなんだ」
「そうした連中でしょ」
「まあそうだね」
 実際にとだ。菅も否定しなかった。
「言われてみれば」
「そうよね」
「そう、それでね」
「紅茶もだね」
「そうして飲んでるのよ」
「気取って」
「贅沢な食器使って、ただその食器なんて」
 七海は馬鹿にした笑顔になってさらに話した。
「皇室の方々に比べれば」
「あの方々が使っておられる初期だね」
「もう何でもないでしょ」
「それはね」
 菅もその通りだと答えた。
「当然だね」
「我が国の皇室はね」
 日本のそれはというと。
「質素だけれどね」
「三百年先の技術でね」 
 エウロパから見てである。
「それで連合屈指の職人の人達が造った」
「献上ものでね」
「やっぱり違うね」
「あっちのお貴族様の品なんて」
 それこそとだ、七海は話した。
「もうね」
「何でもないね」
「どうせエウロパでは最高級品でも」
「連合だとね」
「何しろ三百年先の技術よ」
 エウロパと比べてというのだ。
「それで造られているから」
「全然違うね」
「本当にね」
 まさにとというのだ。
「そうでしょうね」
「そうね、連合とエウロパでは技術が違っていて」
 彰子も言ってきた。
「その中でも日本の皇室の方々が使われるものなんて」
「御用達の職人さん達が特別に造って」
「あえて献上するものよね」
 スターリングも蝉玉も話した、彼等の祖国であるアメリカも中国も共和制であるので実は実感としては感じていない。
「そうしたもので」
「本当に特別なものだね」
「そんなものだと」
 まさにとだ、彰子はまた言った。
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