暁 〜小説投稿サイト〜
麗しのヴァンパイア
第三百六十二話

[8]前話 [2]次話
               第三百六十二話  日本では
 カーミラはウォッシュチーズを食べつつこんなことを言った。
「日本でもよくチーズを食べているけれど」
「それでもですね」
「このウォッシュチーズはあまり食べていないですね」
「色々なチーズがありますが」
「それでも」
「匂いがきついとね」
 その様にというのだ。
「言われているわね」
「はい、確かに」
「よく言われていますね」
「左様ですね」
「それであまり食べていませんね」
「カマンベールはありますが」
「ブルーチーズもね」
 こちらのチーズもというのだ。
「これといってね」
「ないですね」
「どうしても」
「匂いが嫌と言われ」
「人気がないですね」
「そうね、残念なことだわ」
 カーミラは遠い目になって述べた。
「そのことは」
「美味しいので」
「日本でも食べられるべきですね」
「美味しいので」
「それで、ですね」
「そう思うわ」
 使い魔達にそのウォッシュチーズを食べながら話した。
「本当にね」
「やはりまだ日本ではチーズは浸透していないですか」
「普通のチーズは食べられても」
「そうなっていますが」
「それでもですね」
「それはあくまで普通のチーズで」
「それ以外のチーズは」
 使い魔達も口々に言った。
「どうにもですね」
「カマンベールはよく食べられていますが」
「ブルーチーズそしてウォッシュチーズは」
「残念ながら」
「こうしたチーズにこそ醍醐味があるのよ」
 チーズの美味さ、それのというのだ。
「日本人は折角美食家なのにね」
「そうしたチーズの美味しさをわかっていない」
「チーズの醍醐味を理解していない」
「まことに残念ですね」
「最近そのことに気付いて思うわ」
 こう言いつつまたウォッシュチーズを食べた、そしてワインを飲むがこの組み合わせが実にいいと思うカーミラだった。


第三百六十二話   完


                 2021・4・22
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ