第十幕その五
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ふとです、ご主人がこんなことを言いました。
「今日はもうすぐだね」
「ええ、あの人達が来るわ」
将軍が答えました。
「その日よ」
「そうだったね」
「だから今日はね」
「うん、和菓子を収穫したね」
「そうしたのよ」
「そうだったね」
「あの人達は和菓子が大好きだから」
だからだというのです。
「その日はね」
「やっぱりだよね」
「和菓子をね」
「沢山用意するね」
「ええ、そして私達はね」
「あの人達からね」
「油揚げを貰うのよね」
将軍はにこりとして言いました。
「厚揚げも薄揚げも」
「どちらもいいね」
「日本のものばかりね」
ドロシーはお二人のお話を聞いてどら焼きを食べながら言いました。
「何か」
「はい、日本から入った人達で」
「実際に日本の食べものが好きなんです」
お二人もこう答えます。
「それでなんです」
「私達もそうしたものを用意します」
「成程ね、油揚げといったら」
ドロシーはさらに言いました。
「おうどんにも使うわね」
「きつねうどんですね」
ご主人が笑顔で応えました。
「そのおうどんは」
「やっぱりそうよね」
「僕達も好きでして」
そのきつねうどんをというのです。
「それでなんです」
「油揚げを貰って」
「厚揚げは煮たり焼いたりして食べまして」
「薄揚げはなのね」
「きつねうどんに使います」
「きつねうどんも美味しいですね」
ここで将軍も言いました。
「だから私もです」
「薄揚げを使って」
「はい、そしてです」
そのうえでというのです。
「おうどんを作って」
「食べているのね」
「そうしています」
「そうなのね」
「今じゃ和食も中華も作ります」
「お料理のバリエーションが増えたのね」
「スパゲティもよく作りますよ」
イタリア料理であるこちらもというのです。
「ピザも」
「それもなの」
「アボガドの木もありますから」
この果樹園にはというのです。
「ですから」
「それでなのね」
「はい」
実際にというのです。
「そうしています」
「成程ね」
「あの、それでその人達ですけれど」
カルロスは将軍に善哉を食べながら尋ねました。
「日本から来た人達っていいますと」
「何かしら」
「お侍さんですか?力士さんですか?」
「そのどちらでもないわよ」
将軍はカルロスに笑って答えました。
「日本といえばだけれど」
「はい、あと忍者ですよね」
「そうした人達が有名だけれど」
それでもというのです。
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