第二百十話 北西へその八
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「もうな」
「左様ですね」
「その時はですね」
「城壁どころかですね」
「その中の街すらも」
「そして大軍も」
「本気になればその辺りを焼き尽くせるんだ」
そこまでの力があるというのだ、レーヴァティンには。
「だからな」
「そのレーヴァティンを持たれている陛下が来られた」
「これ以上はないまでのことですね」
「この地の者達にとって」
「使わないけれどな」
久志はこの考えも徹底させている、その力があまりにも絶大であるが故に一度使えばそれで多くのものを焼き尽くしてしまうことを知っているからだ。
「それでもな」
「それがある」
「それだけで大きいですね」
「使わずとも」
「そうだよ」
まさにというのだ。
「使わなくてもな」
「ある」
「それだけで武器である」
「それが陛下のレーヴァティンですね」
「軍も武器もそうだろ」
力、それはというのだ。
「使うだけじゃないだろ」
「はい、そこにある」
「それだけで違います」
「政においても」
「それだけで全く違います」
「だからな」
それでというのだ。
「ここはな」
「はい、それでですね」
「大軍をここに集め」
「優れた武器もある」
「そしてレーヴァティンもある」
「その全てを喧伝して」
「まだ降っていない街や村を降していくな」
その様にするというのだ。
「いいな」
「はい、それでは」
「その様にしましょう」
「今我等が持つ力を全て宣伝し」
「まだ降らない町や村を降しましょう」
「そうするな、ただ俺はな」
ここでだ、久志はこうも言った。
「さっきも言ったがレーヴァティンはな」
「使われませんね」
「国と国の戦では」
「常にそうされますね」
「ああ、使うのはな」
その時はというと。
「獣やモンスターと戦う時だった、その時だってな」
「レーヴァティンの力は制御されていましたね」
「獣やモンスターとの戦闘の時も」
「出す力は僅かにされていた」
「左様でしたね」
「その力を全て出す相手なんてな」
それこそというのだ。
「それこそだよ」
「海の魔神ですね」
「あの神と戦う時ですね」
「まさに」
「その時ですね」
「どんな相手かまだわからないけれどな」
それでもというのだ。
「やっぱりな」
「神ですから」
「当然恐ろしいまでの力がある」
「この世界を全て石に変えて海に沈めた」
「そうした存在ですから」
「だからな」
少なくともそれだけの力があることはわかっているからだというのだ。
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