-亜空間-
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。長槍からスイングされ、大きく投げ飛ばされるスイムスイム。その落下とともに、赤い土煙が舞った。
「痛い……」
スイムスイムが起き上がりながら、その体を水に変えていく。
やがて、砂を水に変えた彼女は、その姿をくらませたのだった。
それに対し、銀のヒューマノイドは胸元に手を当てる。
すると、眩い光とともに、その姿は変わっていった。
銀から赤へ。その体色のほとんどが深紅に染まり上がり、さらにその胸元には、水色に輝く水晶が煌めいていた。
銀のヒューマノイド、改め赤のヒューマノイド。
紗夜は、彼が静かに佇んでいるのを見つめることしかできなくなった。
そして。
「きゃっ!」
紗夜の悲鳴。
赤のヒューマノイドは、背後の紗夜の腕を掴み、そのまま引き寄せたのだ。入れ替わり、地面から襲い掛かってきたスイムスイムの刃を、赤のヒューマノイドはその右肩に受けた。
大きく怯み、後退する赤のヒューマノイド。
「あの、大丈夫ですか?」
紗夜は肩の心配をしてしまう。
赤のヒューマノイドは頷き、また紗夜を後ろに下がらせる。
さらに、スイムスイムの攻撃は続く。地面に潜っては斬撃、また潜っては斬撃。
この赤のヒューマノイドは、紗夜を決してスイムスイムの攻撃に晒させまいとしているのか、全て彼が受けていた。
「どうして……?」
彼がなぜそこまで紗夜を守るのかが理解できず、紗夜は困惑を浮かべる。
「保登さん……?」
赤のヒューマノイドは、ココアが変身したもの。目ではその情報が分かっているのに、それが事実だと脳が認識できない。
そもそも、元気が服を着て歩いているような彼女と、寡黙な上、男性的な体つきのこのヒューマノイドが同一人物だとはとても信じられない。
スイムスイムの槍を受け止め、その体を捕まえる赤のヒューマノイド。
彼はまたしてもスイムスイムを上空へ投げ飛ばし、彼女の自由を奪った。
上空。それは、どんなところでも泳げる彼女にとって、唯一能力が使えない場所。
赤のヒューマノイドは、両手を交差させ、右手を突き出す。高速で飛んでいくエネルギーの刃は、そのままスイムスイムの体を切り裂き、ダメージを与えた。
「っ……!」
体を水にしているため、それほどのダメージはないであろうが、落下してきたスイムスイムは、あきらかに先ほどとは打って変わって、顔を歪めていた。
さらに、赤のヒューマノイドの攻撃は続く。
両手をまた組む。すると、彼は人型の生物とは思えない速度で移動し、気付けばもうスイムスイムの背後に回り込んでいたのだ。
「速い!」
紗夜が舌を巻く間もなく、彼はスイムスイムの腕を背中から捕らえる。
だが、それ以上彼女へ攻撃しようと
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