第九幕その九
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「本当に大きいね」
「そうだね」
「しかも大きいだけじゃなくて」
「とても奇麗ね」
「本当に虹色に輝いていて」
そのグルグルと鳴くヤモリを見て言うのでした。
「これがグルヤモリなのね」
「外の世界のオオヤモリの仲間だっていうけれど」
「オオヤモリとはまた違って」
「凄く珍しいね」
「こんなヤモリがいるんだね」
「いや、私は珍しくないでしょ」
そのヤモリが言ってきました、これまでグルグルと鳴いていましたが今は普通に喋って応えています。
「オズの国だと」
「僕君の種類のヤモリははじめて見たよ」
「いえ、結構な数いるわよ」
「そうなんだ」
「オズの国は広いし」
それでというのです。
「私達は夜行性だからね」
「それでなんだ」
「今まで見ることはなかったのじゃないかしら」
「僕達いつも夜は寝ているしね」
「早寝早起きね」
「もうそろそろ寝て」
実際にとです、カルロスはヤモリに答えました。
「そして日の出と共にね」
「そうよね、オズの国は皆早寝早起きだから」
「それでだね」
「特に子供はそうだし」
つまりカルロス達はというのです。
「だからなのね」
「グルヤモリをはじめて見たのよ」
「君の種類をだね」
「そうよ、オズの国にも夜行性の生きものはいるのよ」
「それが君達だね」
「私達でね」
それでというのです。
「それでね」
「それで?」
「他にも色々とね」
「夜行性の生きものがいるんだ」
「そうよ、蝙蝠だっているし」
この生きものもというのです。
「他にもよ」
「夜行性の生きものがいるんだね」
「そうよ、オズの国では犬や猫は夜行性じゃないけれど」
それでもというのです。
「私達みたいな生きものもいるのよ」
「そうそう、僕達基本はです」
「夜行性なんですよね」
犬達も言ってきました。
「犬は元々狼で」
「狼は夜行性ですからね」
「オズの国では昼に動いてますけれど」
「基本はそうなんですよね」
「だから私達もです」
「実は」
お昼に動くのではなくというのです。
「夜行性です」
「そうなんですよね」
「あと群れを為すのも穴の中が好きなのも」
「元々の習性です」
狼のそれだというのです。
「そうなっています」
「だからです」
「今も夜でもはっきり見えています」
「夜には強いですから」
「暗がりにも強いですよ」
「うん、皆いつもは奇麗な目なのに」
それでもとです、カルロスは犬達の目を見て指摘しました。
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