第九幕その八
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「それもいいことだから」
「それならですね」
「これからですね」
「お外に出て」
「そのグルヤモリを観ればいいですね」
「私達で」
「そうしましょう、ワンちゃん達も一緒だし」
それならというのです。
「安全だしね」
「警護は任せて下さい」
「僕達が一緒ですから」
「カルロスさん達に何があってもです」
「私達がお護りします」
「そうしますので」
「それじゃあお願いするね」
カルロスが応えてです、そのうえで。
五人は犬達と一緒にお家から出てそうして夜の果樹園に入りました、夜の果樹園は静かで月明かりに照らされていて。
ヤモリの鳴き声だけが聞こえます、カルロスはその中で周りを見回してヤモリを探しながら言いました。
「それで何処にいるのかな」
「こっちですね」
「鳴き声はこっちから聞こえてきます」
「匂いもしますし」
「こっちですね」
犬達は一行の左手を見て言いました。
「間違いないです」
「匂いも音もですから」
「それも近いですよ」
「そうなんだね、匂いだね」
それでとです、カルロスは言いました。
「わかるんだね」
「犬ですから」
「犬の鼻は抜群ですから」
「それでわかります」
「もう何よりも」
「そうだね。犬のお鼻は凄いね」
カルロスはつくづくという感じで思いました。
「そんなこともわかるんだから」
「はい、本当にです」
「よくわかります」
「むしろ耳よりもで」
「そして目よりも」
「犬で一番凄い器官かも知れないね」
お鼻はというのです。
「本当に」
「そうだよね」
「犬のお鼻は人間のものなんか比べものにならないから」
「どんな匂いもわかるから」
「そう考えるとね」
神宝達四人も言いました。
「犬のお鼻ときたら」
「あると羨ましいね」
「何処にいるのかまでわかるから」
「今だってね」
「そうだよね、それでだね」
カルロスは犬達が案内してくれる方を見てまた言いました。
「こっちにそのヤモリがいるんだね」
「はい、こっちです」
「こっちにそのヤモリがいます」
「グルヤモリがいます」
「あと少しでいる場所に行けます」
「さあ、どんなヤモリか」
カルロスは期待に胸を膨らませました。
「見ようか」
「そうだね」
「虹色に輝いているっていうけれど」
「どんなヤモリか」
「今から観ましょう」
五人全員で言ってでした。
皆で犬達が案内してくれたその場所に行きました、すると果樹園の中のパンの木うちの一本の幹にでした。
とても大きなヤモリがいました、その大きさは一メートル程で。
身体は虹色に輝いていました、月明かりの中でそうしていましたが。
そのヤモリを見てです、カルロス達五人は言いました。
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