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それから 本町絢と水島基は  結末
8-?
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うよ」と言ったが、僕は飲みなれないし、ビールにしようと反対した。

 食べている時でも、周りの人がチラチラと絢のほうを見ているのを感じる。それだけ、華やいでいるように見えるんだろう。時々、絢が料理においしいーと声を上げていたので、よけいだ。デザートの時、小山になったアイスクリームに花火が刺さっていて、お店の人が「ハッピーバースデイ ホテルからのプレゼントです」と言って、置いてくれた。レストランを出る時、絢はわざわざ給仕の人のところに行って、「おいしかったです。ありがとうございました いい記念になりそう」と、お礼を言って微笑んでいた。そういう風に、躾けられているんだろう。

 部屋に帰って、僕達は、窓際のソファーで夜の海を眺めていた。遠くにチラホラと灯りが見え、船が通る時もある。絢は、首を預けてきていた。しばらくして、僕は

「お風呂 いこうか 大浴場」

「ウチはお部屋で入る モトシ行ってきて」

「なんで 一緒にいこうよ せっかくなのに」

「いいの! どっちみち、いっしよに入られへんやん」

 僕が出ようとした時、絢が抱き着いてきて、キスをしてきた

「絢 きれいだよ」

「モトシ 大好き あとでね」

 月明かりの、静かな海を見渡せた風呂から、帰って来ると、部屋ん中はうす暗く、ベッドのフットライトの灯りだけだった。

「絢 居るのか?」

 すると、ソファの陰から立って現れた。月明かりを背に下着だけの絢だった。近寄ると、胸元も裾も大きなレースをあしらった長めのキャミソール姿だ。髪の毛も結んでいなかった。

「えへっ 可愛いでしょ コレ 気に入ってもらえた? ウチが お誕生日のプレゼント」

「うん とっても 可愛い」と抱きしめて、こんなに肩が薄かっただろうか、

 ベッドに連れて行って、明るくした

「嫌だ そんな明るいの」

「いいんだよ じっくり見たいんだ 絢の全部」いつもの柑橘系の香りがする。あの小さな蝶のネックレスが光っていた。

 僕達は、そのまま愛し合った。今までの想いを全部、ぶつけあった。絢も、ひたすら、こらえながらも、応えてくれていた。

 抱き合ったまま、朝を迎えていたけど、目を覚ますと、絢は僕を見つめていて、キスをしてきた

「ねぇ もう一度・・痛いの我慢できるし・・」と、抱き着いてきた。

「他の子と しちゃぁ嫌よ ウチ いつでも モトシのもんになるから」

 僕達は、駅で、別れを惜しみながら、分かれた。別々に、新しい年を迎えることになる。









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