8-?
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
うよ」と言ったが、僕は飲みなれないし、ビールにしようと反対した。
食べている時でも、周りの人がチラチラと絢のほうを見ているのを感じる。それだけ、華やいでいるように見えるんだろう。時々、絢が料理においしいーと声を上げていたので、よけいだ。デザートの時、小山になったアイスクリームに花火が刺さっていて、お店の人が「ハッピーバースデイ ホテルからのプレゼントです」と言って、置いてくれた。レストランを出る時、絢はわざわざ給仕の人のところに行って、「おいしかったです。ありがとうございました いい記念になりそう」と、お礼を言って微笑んでいた。そういう風に、躾けられているんだろう。
部屋に帰って、僕達は、窓際のソファーで夜の海を眺めていた。遠くにチラホラと灯りが見え、船が通る時もある。絢は、首を預けてきていた。しばらくして、僕は
「お風呂 いこうか 大浴場」
「ウチはお部屋で入る モトシ行ってきて」
「なんで 一緒にいこうよ せっかくなのに」
「いいの! どっちみち、いっしよに入られへんやん」
僕が出ようとした時、絢が抱き着いてきて、キスをしてきた
「絢 きれいだよ」
「モトシ 大好き あとでね」
月明かりの、静かな海を見渡せた風呂から、帰って来ると、部屋ん中はうす暗く、ベッドのフットライトの灯りだけだった。
「絢 居るのか?」
すると、ソファの陰から立って現れた。月明かりを背に下着だけの絢だった。近寄ると、胸元も裾も大きなレースをあしらった長めのキャミソール姿だ。髪の毛も結んでいなかった。
「えへっ 可愛いでしょ コレ 気に入ってもらえた? ウチが お誕生日のプレゼント」
「うん とっても 可愛い」と抱きしめて、こんなに肩が薄かっただろうか、
ベッドに連れて行って、明るくした
「嫌だ そんな明るいの」
「いいんだよ じっくり見たいんだ 絢の全部」いつもの柑橘系の香りがする。あの小さな蝶のネックレスが光っていた。
僕達は、そのまま愛し合った。今までの想いを全部、ぶつけあった。絢も、ひたすら、こらえながらも、応えてくれていた。
抱き合ったまま、朝を迎えていたけど、目を覚ますと、絢は僕を見つめていて、キスをしてきた
「ねぇ もう一度・・痛いの我慢できるし・・」と、抱き着いてきた。
「他の子と しちゃぁ嫌よ ウチ いつでも モトシのもんになるから」
僕達は、駅で、別れを惜しみながら、分かれた。別々に、新しい年を迎えることになる。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ